低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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美 茶翅ゴキブリ
美は、自然の造化による創造物の性質を言い表す言葉であり、それは意図したできた
ものではなく、勝手にできたものである。だから、美は人間の存在に関係なく、自然が存在する限り持続する性質である。人間の美は、心の規制を受けるが、自然の美は、無心に作られているので、そのものの性質が美しい。そして、人間の美には、美醜の対立があるが、自然の美はそれとは無縁にすべてが美しい。近代に始まった美術の基準は、醜と対立する美という範囲内でしか考えられず、次元の低い美だ。私たちはもっと自然の美に目を向けるべきだ。
そのための第一の方法は、自然に触れ合う機会をたくさん持つことだ。私は凄まじいほどの田舎に住んでいる。電車は単線で一時間に一本有るか無いかで、轟音を響かせてガタガタ揺れながら走る。そんな田舎に住んでいる私は、自然と触れ合う機会に昔から恵まれている。カブトムシやクワガタを採ったり、モンシロチョウやアゲハチョウを捕まえたり、一匹一匹蟻をつぶしたり、カナヘビ(蛇ではなくトカゲの一種)と戯れたり、などなどいろんなことをした。そのせいか、私は人間の美に対する感覚は疎いが、そのおかげで、ありのままが好きで、手を加えるのが嫌いな人になった。
もう一つの方法は、美に順位をつけるような教育や考え方を改めることだ。小学校には、年に一回習字のコンテストがある。小学生全員に課題の文字を書かせ、それに書生回章、特選、金賞、銀賞、銅賞、とランク付けをする。私もやらされた。私には、どれも個性的ですばらしい字にしか見えなかったが、どっかの専門家はこれをランク付けした。これは、周りの人たちの字とランクを見たら、書生回章と特選の人たちはみんな同じくらいきれいな字だった。書生回章の人は力強い字で、特選どまりの人は繊細な感じ。どちらもそれぞれの良さがあるのに、ランクの高さはなぜか違う。このようなことを行うことは、小学生達の美に対する価値観を固定してしまうことにはならないだろうか。
確かに、人間の作る美に価値が無いことはない。しかし、「美とは意識して作るものではなく、いつの間にかできているものである。」と私は思うので、我々は自然本来の本質的に備わっている美にもっと目を向けるべきである。
講評 kira
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しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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