国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   美   タクミコ

美とは、本来、自然の造化による創造物の性質を言いあらわす言葉であり、それは美という性質を与えようと自然が望んだ結果与えられた性質ではなく、自性としてそうなった性質である。人間は造型活動を通じて自然美に立ち向かおうとしてきた。自然の美の本質は美魂の対立を超越したところにあるのに対し、人間の造型美は、人間の持つところの意識や欲望や迷妄や懐疑などの執着心の機制を受けざるを得ないのである。しかし、近代に始まった美術で美の基準は個性におかれ、魂と対立する美という範囲内でしか考えられなくなり、自ら美の次元を低い段階に限定する状態となったのであった。私はもっと自然の美を大切にするべきだと考える。
そのための第一の方法は自然と触れ合うことである。自然の美しさや人間の造型美との違いを感じ取るのはとても大事なことではないかと考える。私はアメリカで自然と一緒に育ったと言って良いほど自然に囲まれて育った。だから日本に帰ってきて、東京のあまりに自然の少ない町並みを目にした時にはショックだった。しかし、今通っている学校は東京都内にも関わらず、毎年大量の毛虫が出るほどの森がある。当たり前だと思っていると逆になかなかその大切さに気付くことはできないかもしれないが、満員電車から降り、緑が生い茂っている様子を見ると、その美しさで心が癒される気がする。
また、自然美をもっと大切にするための第二の方法としては人間が自らの傲慢さをおさえることである。ソフィストの一人であるプロタゴラスが「万物の尺度は人間である。」と言ったように、古くから人間は自分の価値基準で物事を判断してきた。美においても、美に順位をつけたりする教育が行われることによって人間は傲慢さを改善せずに促進していく方向に行っていると感じられる。美女コンテストなどが行われることによって、「美」の画一化が進むにつれて自然美の美しさが忘れられていく可能性がある。だから、自らの傲慢さをおさえることが重要なのである。
確かに、芸術に見られる美も美しいものであり、その芸術家の業績も価値のあるものである。しかし、私たちは自身の業績だけでなく、自然の中に本質的に備わった美をもっと観賞するべきであるのではないだろうか。自然は当たり前にあるものではなく、その存在を感謝すべきものである。私も自分の生活を見つめなおし、自然の美しさを大事にするよう努力していきたいと考える。

   講評   hota

 まず、満点で、進級テスト合格です。おめでとう。

 今学期は、なかなか思うように毎回は書けない状態が続いていますが、それでもしっかりした作文で進級テストに合格したのは、さすがと言うべきでしょう。
 要約も、的確です。「複数の方法」「体験実例」「社会実例」もいいですね。「反対意見への理解」と「自作名言」の結びもいいです。今回はただし書きもちゃんと入れてくれましたね。バッチリです。言うことありません。
 唯一、何か言うとすれば、タイトルかな。「美」ではシンプルすぎるので、「美の○○」「○○の美」などと、もう少し内容がわかるようなものになるといいですね。でも、本当に、敢えて言うことを探してもそれくらいです。
★人間がどんなに自分たちが優れていると思っていても、自ら何もないところから生命を生み出すこともできなければ、不老不死を実現することもできません。「生かされている」ことをもっと自覚すべきでしょうね。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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