創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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機械に使われる ルフィ
コンピュータに代表される、現代のハイテク機器に対し、私たちは本来「ユーザー」という注文を付ける立場にあることを忘れ、道具に合わせようと必死になっている。もともと道具と言うものは、規範性、手段製、透明性という3つの条件を満たしていなければならないのだが、今ではそれは忘れ去られている。そこで、私は機械に従属せざるを得ない現代の社会には問題がある、と提議したい。
そこでその原因を探ってみると、まず何か新しいことを始めようとするとき、制度を第一に作るために、人々の意識がおくれてしまうというものが出てくる。つまり、私たちはチャレンジをして、その体験を踏まえルールを作り上げていくのではなく、先に限度を決め、その範囲内で試行を繰り返す傾向があるということだ。そのため、「人がすること」よりもむしろ、「人が決めたこと」を重要視してしまうため、本末転倒となるケースが多いのだ。私自身、ある行事の際に「遅刻、さぼり等は罰金」という制度を作ったのだが、その罰金を払わせることに尽力してしまい、肝心の練習に来させようという努力を怠ってしまった経験がある(笑)とにかく、私が言いたいことは、このことは、冒頭に挙げた機械との関係の中にも成り立っているということだ。
また、他の原因としてプロ主義と呼ばれる日本の伝統的な考え方がある。要は、専門のことはその道の人に任せておけ、といったことだ。そのために、私たちはある域まで達してしまうと、その先を目指すことを止めてしまうのである。例えば、学校で数学の宿題が出されたとき、基本問題は自力で解くが、応用問題は得意な子に解いてもらう。さらにその得意な子も現状に満足してしまい、発展問題に関しては手を出そうとしない、といった状況が氾濫しているのである。事実、こんな偉そうなことを言っている私自身も、基本問題しか解かない人だからだ。私たちは、この現状に目を向けるべきである。
確かに便利な新機能をどんどん取り入れる事は有効なことだ。しかし、その機能が私たちにとって、使いやすいようにデザインされていれば、の話である。「道具は、どんな状況でも対応できるように設計するのではなく、誰でも使えるように設計すべきなのだ。」最近の技術の進歩は目まぐるしいものがある。私たちは、「機械に使われる」時代が来ないように、ふくろうのように目を光らせておく必要があるのだ。
講評 kira
ルフィくん、こんにちは。科学技術の進歩に当たっては、それを開発する者、受け取るものの倫理の成長も必要ですね。悪用しないこと。しかし、それ以前に、機械に使われるという愚かな構図になり、人間疎外になってしまうことも避けなければならないのですね。
ルールをつくってそれに巻かれて不自由する。これもよく見かける風景ですね。何のためにそのきまりを作ったのか、それを忘れて遵守することだけに躍起になっている。「親方日の丸」は日本を支える公務員の方々を評する言葉でしたが、この意識は蔓延して「決まりありき」の世の中をつくっているね。
プロ主義では、おもしろい例が挙がったね。私も高校時代、読書感想文のプロであり、かつ、数学のプロに仕事を依頼する者でした。分業です。(ちがうんだろうなあ)
精度の高い機能充実の新製品を作り続け、満足していていいのだろうか。わたしは何年か前に「IT講習」の講師というものをやりましたが、中高年以上のみなさんにパソコンの基本操作を教えるのは困難を極めました。最近急速に売り上げを伸ばし、業界で注目されているのが、シニア層をターゲットに、必要ない機能をすべてなくし、やぼったくデザインした携帯電話なのだそうです。やはり、使いこなせる事がいちばんなんだね。
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