国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   美しさ   シュシュ

 美とは、本来、自然の造化による創造物の性質を言いあらわす言葉である。東洋的な考えかたでは、自然美を手本とすることで人間の造型活動が行われ、西洋的な意図では、自然美を補いあるいは自然美を超越する造型美を得ようとして、造型活動が営まれてきた。しかし人間の造型の美しさは、自然美の前では多くは低い次元の美であった。私は自然本来が持っている美しさ、美をもっと大切にして生きていきたいと思う。
 そのための第一の方法は、日常生活の中にあるなにげないものに心を向けていくことだ。小さな子供が道端を散歩する様子を想像して欲しい。決してまっすぐと道に沿って歩くことはないだろう。ふらふらと道の脇などに寄り道をし、時には立ち止まってじっと雑草を見てみたりする。空の雲を見上げてしばらく動かないこともあるだろう。小さな子供にとっての道は、大人にとってのそれとは別物なのだ。みんな昔はそのような幼い子どもだったはずなのに、いつのまにか全てが当たり前のこととなり、感動を忘れてしまっている。じぶんの周りをもっと見渡せば、今まで気づかなかった色々なものをきっと見つけることができるだろう。そしてそのようなものの中から、本来の美しさを感じることが出来ると思う。
 第二の方法は、学校教育の中で、人工的な美だけでなく自然にある美しさを味わう機会をつくることだ。中学校の美術の授業では、ずっと地下の美術室にこもって、自画像や平面構成などを描いたり、美術史を学んだりしていた。今思うと、もっと美しさを楽しむことができるような授業でも良かったと思う。私は絵を描くのが好きなので美術は嫌いではなかったが、もっとのびのびと学ぶことができたら良かったのではないかと思った。高校になってからは、美術は選択科目になった。私はもちろん美術を選んだ。高校での美術の授業は、中学よりもずっと絵を描く時間が増えた上、今は近くの公園で油絵の具で写生をしている。テーマは「木をかく」で、前よりもずっと開放感があって絵をかくことが純粋に楽しくなった。やはりお日様の下で絵を描くのが一番気持ち良いし、一番身近な自然の中に一番の美しさがあることがわかる。このようにもっと自然の美しさを感じられる授業を、小学校や中学校でも行った方が良いと思う。
 確かに、ピカソやゴッホなど人間の手から素晴らしい美を創りだした画家はたくさんいる。しかし、ゴーギャンが最後には南の島タヒチへ行ったように、結局のところ自然が昔から持っている美しさには代わりのない魅力があるのだろう。これから人間は、もっと自然の中にある素朴な美しさに目を向けるべきではないだろうか。何もかもが人工的、自動的へと発展してきたが、今になって地球環境がその重みに耐え切れなくなったりと様々な問題が生じてきている。私はもっと、自然が本来持っている美しさや力を信じて生きていきたいと思う。

   講評   nane

 書き出しの意見が簡潔。長文の主題をよく読みとっているね。
 小さい子供の例は具体的。シュシュさんも、ときどききれいな空を見て、「今日は学校なんか行かないでのんびりしていよう」などと思うときがあるでしょう。(ないか)
 学校の美術の例は、自分の体験をよく入れている。美術でも音楽でも、勉強というよりもまず楽しむことが大事だからね。
 ゴーギャンのタヒチの例は、さすが美術部。いい話を引用した。この結びの段落は、かなりいい表現で書いてある。が、もうひとこと光る表現を入れてもいいかなあ。
 こういう文学的なテーマのときは、書き出しの工夫をして結びの工夫もすると面白いと思うよ。次回、がんばろう。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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