国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   知価   A.L

 産業革命以来の技術革新は、物財の量的増大を求める欲求にそって進んだものであり、主として物財供給量の増大と加工度の向上に役立った。ところが、今進行している技術革新は、主として多様化情報化による「知価」部分の増大と省資源化による物財消費の削減を目指すものだ。今日本で、世界の先進諸国で起こっている変革は、単なる技術革新でもなければ、一時的な流行でもない。それは、産業革命以来200年振りに人類が迎えた「新社会」を生み出す大変革、いわば「知価革命」なのである。私は、知価という新しい価値観を受け入れて、うまくやっていくべきだと思う。
 そのためには、多くの価値観が存在する中で、選択の自由が必要である。自分でやりたいことが選べずに、皆画一的に同じことをやらせられていたのでは、新しいものを生み出すことはできない。例えば、私企業に勤めている研究者は、給料が低くても大学に移りたいと考えている人が多いらしい。それは、私企業であるとやはり、利益最優先となって研究分野が限られるというのである。国立の研究所でもやはり、私企業ほどではないにしても国民に成果が還元されやすい分野に比重が置かれているようで、大学に移りたい人もいるようである。その大学では、給料は安く研究費も限られているが、好きな分野を自由に研究できるということで人が集まる。また、大学の独立行政法人化で教授も副業ができるようになり、安い給料をそれで補っている人もいるようだ。
 また、情報を誰もが好きなときに知ることができるようにする必要もある。情報がなければ、今何をしたら良いのか、何が足りないのか、もう既に誰かが終えたものなのかどうかが分からず、自分のしたことが水泡に帰しかねない。
 たしかに、多くの人の選択の自由を奪う画一的な大量生産大量消費によって、日本の経済が発展した。しかし、「発展とは、生産ではなく創造である」というように、知価という価値観を受け入れるべきだと思う。

   講評   kira

 ALくん、こんにちは。「知価」というものを的確に読み取りましたね。「多様化情報化による「知価」部分の増大と省資源化による物財消費の削減を目指すものだ」。たくさん作って満足する時代ではなくなったということです。意識の切り替えが必要です。
 自分のやりたいことをやる中で新しいものの開発をしていくという意味で、研究者の現状を述べました。さすがに詳しいですね。研究者も人間だから稼がなければならない。しかし給料を気前よく払ってくれるところには、それなりの見返りがあるんだね。大学を独立行政法人化することの意義はこんなところにもあったんですね。なるほどなあ。
 かつて大学である教授がこう言っていました。「私の大学での報酬で考えると、今そこに座っているみんなからは一円稼げているような具合だ。微々たるものでやっていけないから、私はさまざまな企業団体の顧問や役員をしている。その報酬のほうが圧倒的に多い。」 
 急速なIT化のために制度は進んだが運用する者の意識はいまだ理解に至っていない。そこでデジタルデバイドの問題や、情報流出などといったマイナスも出てきた。意識の改革のほうを急務にすべきですね。
 日本はかつての急速な経済成長の延長でいままでの手法を反復、踏襲することが第一と考え失速していったと言われます。知価を問われる時代になって一番求められるのは「考える」ことではないでしょうか。制度が変わる前に、まず人間の意識革命こそが必要ですね。


 
 

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