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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   怪我の功名   オーロラ

 「怪我」は傷のことなんだけど、ここでは、あやまちとか過失の意味をさすんだ。「功名」はてがらとかよい結果のこと。つまり、失敗をしたのにそれがかえってよい結果になった、ということ。また、なんの気もなくやったことが、たまたまよい結果になった、ことでもある。
 このことについて、私にもにた話があります。それは、2年生のころのことです。私が通学のために使えるバスは、15番と16番のバスがあって、15番のバスは遠回りです。私としおりちゃんは、なかなか来ないバスをしばらく待っていました。そのとき、15番が来たけれど、いっしゅん迷って、乗らないことにしました。10分ぐらいたってから、16番のバスがやっと来たので、私は(15番に乗っとけばよかったかな……)と思いました。ところがどうでしょう。バスから降りて後ろを見たら、なんと、一つ手前の信号で、さっきの15番のバスがとまっているではありませんか。私はこれこそ「怪我の巧妙」だなぁと心の中で思いました。
 もう一つはパストゥールのことです。それはこういうことです。パストゥールが夏の休暇に故郷のアルボアですごしました。帰ってきたとき、休暇の前に作っていたコレラの培養液のことを、すっかり忘れていました。何週間も放ったままにしていたのです。パストゥールは助手に、それを捨てるよう命じましたが、ふと思い直してそれを、ニワトリに注射しました。まだ、毒性を持っているかもしれないからです。ところがどうでしょう。ニワトリはコレラにかかりませんでした。実験をくりかえして、こんどは新しい強力な培養液で注射してみました。するとおどろいたことに、ほかのニワトリは病気になったのに、古い培養液を注射しておいたニワトリは、病気にかかりませんでした。このことで、パストゥールはまた新たな発見をしました。私はこれも「怪我の功名」だなぁと心の中で思いました。まるで捨てようとしたゴミがよく見たらダイヤモンドだったようなものです。
 私は、この話を読んで、失敗しても「怪我の功名」ということもあるから、がっかりしないで、前向きに行こうと思いました。

   講評   nara

 よくまとまった感そう文だね。今回の作文のいいところは、題材をよく考えたこと。感そう文を書くときには、「にた話」を見つけることが大切になる。もちろん、一番先に思い出せるのは、自分の話だね。バスの話はわかりやすい。乗れなかった15番のバスを見つけたとき、オーロラちゃんとしいちゃんは、大喜びしただろうな。
 そして、パストゥールの大発見の話につなげたのがいい。この話とドライクリーニングを発見したベランさんの話がにているね。「失敗した!」と思ったことから大きな発見・発明がある。ここで考えてほしいのは、もし、パストゥールが培養液を捨ててしまったら……ベランさんが「奥さんにおこられるかも。」とテーブルクロスをかくしてしまったら……どうなるかな。失敗の中には、成功の種がまかれていることがあるのだね。「失敗は成功の元」ということわざを「怪我の功名」と重ねて考えてもよさそうだ。
 少しむずかしいけれど、「禍福(かふく)はあざなえる縄(なわ)のごとし」「人生万事塞翁(さいおう)が馬」というのもにた意味のことわざだ。こんなにたくさん似た意味のことわざがあるということは、どういうことだと思う? それは、人間はだれでも失敗をしやすいということね。だからこそ、失敗した後が大切になる。くよくよしたり、怒ったり、誰かのせいにしたり……という状態だと、その失敗を成功につなげることはできない。つまり、これらのことわざは、「ドンマイ、いいこともあるよ。」と私たちを応えんしているともとらえられるね。まとめに書いてくれたように、前向きにとらえることが大切だ!

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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