創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   広くやや深く   うっちー

  今の日本では専門分野さえ出来れば何とか世間を渡っていけるように思われている。たとえ学生であっても文系理系を盾にして逃げることが出来る。しかし、ヨーロッパでは理系であっても文系の専門分野のようなものの知識も必要になってくる。日本では教養と専門は別のものに思われているかもしれないが西洋では教養の上に専門知識があるように思われている。文系の中でも理系的な発想が出来る人の評価も高まっている。専門の域を越えた広い知識を得て思慮分別をつけている人の考えはは常識や一般教養が基になっている。これからは自分の専門でもない分野も理解できるしなくてはならない。私は専門分野以外にも広い視野を持った人になりたい。
 第一の方法は積極的に知識を吸収しようと思わないといけない。まったく関係が無いように見えていても実は案外大事な物だったりすることは良くある。三国志のクライマックスの一つである赤壁の戦いで曹操率いる魏の軍は船を使った戦いをしたことが無かった。南船北馬の言葉のように船はまったく使わないため船は戦いの分野としても認識されておらずまったく知識に欠いていた。そのため歴史上まれに見る大敗を喫してしまったが、天下統一を目指すのであれば当然、南の戦い方の知識を得ようとしなくてはいけなかった。関係がなさそうなものも積極的に吸収していかなくてはいけない。
 第二の方法として、学校教育の中にもっと教養を取り込むことだ。私の学校に三十年近くお勤めの国語科の先生がいる。彼の授業スピードはこの三十年近くほとんど変わらずスローペースだ。それは授業の合間にちょっとした話をたくさん組み込むためだ。初めての授業からいきなり教科書に入ったが、すぐに良く分からない無駄話になっていった。最終的に絶体絶命の状態になったら死んでしまった仲間の肉を食えるのかなどといった謎の多い授業になった。一方で相当色々な知識があり、小泉首相も靖国に祭ってしまえなどという過激な言葉もあったが、その日はほぼ一時間靖国神社の話題だった。問題点や矛盾点をつきつつもその反対意見までも述べてしまう先生の教養が身にしみた授業だった。こんな授業が増えれば面白いし教養もつき、一石二鳥だ。
 確かに専門家のようにある物事に深い考えを持つ人は世の中にとっても大切だ。しかし、「多すぎる休息は、少なすぎる休息と同じように疲れさせる」という名言のようにある一点だけ深く深くしようとすることはあまり賢い手ではない。知識は広くやや深く程度が世間を渡って行くには丁度良い。そんな知識の生かし方ができる人になりたい。

   講評   jun

<第一段落>
 長文の内容をもとに、ヨーロッパと日本の専門知識に対する考え方の違いをまとめることができました。一般的な教養が土台となり、その上に専門知識があるのはあたりまえだと思うのですが、学問の細分化が進むと、専門的な知識の方が優先される傾向にあるようです。
<第二段落>
 三国志の実例はぴったりです。読書や新聞のスクラップなどにより、普段から幅広い知識を身につけているうっちー君だからこそこういう実例が挙げられるのでしょうね。
<第三段落>
 学校の先生は、自分の専門科目を教えることだけが仕事ではないはずですね。この国語科の先生は、少しやりすぎかもしれませんが(笑)、広い視野から物事を見ているという点で、生徒に与える影響は大きいかもしれません。
<第四段落>
 うっちー君の生き方の姿勢をはっきりと示した結びがいいです。細い隙間に入り込んで全体を見回せなくならないように、常に全体を見渡せる目を持っていたいですね。
                             

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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