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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   今、私は憤慨している。   惣流・アスカ・ラングレー

 今、私は憤慨している。
 この夏、我ら書道部に新しい顧問が入ってきた。その女が来る十分前。その日は、学園祭の一週間前でもあった。数少ない書道部員は、学園祭に出品する作品がちょうど業者から表装されて届いていたので、みんなわくわくしながら、キレイに飾られた自分の作品を眺めていた。もちろん、そういった作品は小学校でよく行う半紙の小さな作品ではなく、条副作品といって巻物状の、広げると自分の身長ほどある大きな掛け軸の作品だった。だからそれをしまうのに部員は四苦八苦し、やっと全部の作品を片付けたという頃に突然顧問が新顧問を連れてやってきた。(残念ながらその女の名はここでは明かすわけにはいかない。よって、憎らしいその女顧問の性格上、私達はその教師を「ムスカ」と名づけたので、ここではそう呼ぶことにしよう。笑。)
「はじめまして。国語科のムスカです。大学で書道をやっていたので、書道部に入ることにしました。近々皆の作品を、できれば今、見せていただきたいです」その女はいきなりそう言った。
何という我侭な!!!たった今作品をやっとしまったばかりだというのに!!!初対面でいきなりそんな注文つけるなんて想像もしてなかった!!「大学で書道をやっていました」??!あなたは一体大学で何を学んできたんだ?!もう一度躾てもらいなさい!!!私はそんな事を思っていた。他の部員もそう思っていたに違いない、誰も、ムスカの自己紹介に対して何の反応も示さなかった。しかし、行動派の私はそういったことに黙っていられるような人間ではなく、つい思わず、「来週、学園祭があるのでその時是非ご覧ください!!!」ときっぱり言い切ってしまった。(すると、顧問が「惣流さん、そんな横線張らない!」と私を叱り、「顧問の奴はとことん目出度い奴だな」と私は思わずあきれ返った。)結局、部員はムスカに対して不満を抱きながらも学園祭前日を迎え、その日は書道部部員全員が多忙だった。何かのきっかけで、私はムスカと教室で二人っきりになってしまった!!これはまずい。最悪の事態だ、この女と仕事するなんて…と思い、ムスカを完全無視して一人で作業をしていたら、急に横から「私は何をすればいいのかなぁ〜」という(明ら様に私に助けを求めているとしか思えない)独り言が聞こえてきた。私はその時思った。こういう先生は大嫌いだ!!まず第一に、直接的に聞かず、間接的に独り言を言って助けてもらう、そういうやり方が気に食わないのだ!!わからないのなら聞けばいい。先生だってこの学校にやってきて一週間なのだから、わからないことがあって当然だが、どうやらムスカには「生徒に質問するのは教師として恥ずべきことだ」というプライドがある反面、「独り言を言えば生徒は助けてくれるはずだ」という考えを元に、生徒に甘えているとしか思えない。何って情けない!!!!私は「先生は何もしなくていいですから(むしろ何もしないでください)」と言った。するとムスカは、私がムスカの事を嫌っているという事実にまでは頭が回らなかったらしい。その言葉を好意の意味(先生は楽をしててよいという意味)に受け取り、「いえいえ〜」と照れくさそうに言った。馬鹿だ。この女は本当に馬鹿だ、と思い、わたしは「先生はどこの大学出身ですか?」と探りを入れることにした。するとその女は鼻高々に「立教大学文学部です」と言った。何もできないムスカでも、自分の出た大学だけにはプライドをもっているらしい。それなら、ここで私が「凄いですね〜立教ですかーー頭いいですね‐‐」などと言っては逆効果だろう。ますます付け上るにちがいない、と思い私はお世辞にも意地でも誉めてやらん!!!!と決め、「へぇーそうなんですか」で済ませた。案の定、ムスカは私が誉めてくると思っていたらしく、私の平然とした反応に意表をつかれていたようだった。その後、部員が帰ってきて部屋を装飾することになった。すると、ムスカは、学園祭初めてで何も知らないくせに仕切りたがり、非常に迷惑だった。さらに、部員が汗水たらして考えた教室の装飾の内容も知らず、独断で余計な飾りをつけたり、変なところに紐をまきつけたり、非常に迷惑で部員全員があきれていた。後輩の部員たちも私に「先輩、何なんですかあの人は。あの人清泉祭初めてなんですよねぇ?なのになんで自分勝手に飾りつけてんですか?」と愚痴をこぼしはじめ、私も我慢の限界だった。
 このように、誰にでも得意な人、苦手な人がいる。ムスカは今まで見てきた数々の教師の中で、最も知恵のない、情けない人だった。見ていてイライラする、一番苦手なタイプだった。しかし、社会では苦手意識を持つ人と仕事をしなければならない時もある。だから、いつも好きな人とばかり付き合うのではなく、時に我慢してそういった人とも協力していかなければならない。が、じっさい私は社会に出たことがないのでその厳しさを知らず、ムスカに対しての態度は今のままでよいと思った。

   講評   nane

 へえー。ラングレーさんは、おこりっぽいんだね。
 怒りというのは生きるエネルギーでもあるから一概に悪いとは言えないけど、結局自分も相手もくたびれるだけだと思うよ。がんばってねー。(何をがんばるんだ)
 そこで、怒らないコツ。
 怒りのエネルギーを必要とするのは、自分の中にエネルギーの使い道ができていないからであることが多い。しかも、勉強のように頭を使う作業をしていると、怒りのエネルギーはたまりやすい。また、中学生や高校生のころは、自分が周りの環境をコントロールする立場になく、しかも周囲の環境は現代ではストレスがたまりやすい。
 ところが、創造的なことをしていると、エネルギーはその創造や表現の方向に向かう。しかも、その創造が他から認められればますますエネルギーは創造的に使われるようになる。よく「金持ち喧嘩せず」と言うけど、人間は精神的にも物質的にも豊かになるほど怒らなくなる。
 今はたっぷり怒りのエネルギーを発散させてもいいけど、将来もっと自分が豊かになればまた違う展望ができてくると考えておくといいと思うよ。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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