創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   テストはいいか   ポッター

「さぁ〜、期末テストを返すぞぉ〜!」
先生が教卓の前に立ち、そう叫んだ。そのとたん、
「えぇ〜っ!?」
とクラスの全体が異口同音する。私は『またか』という思いで、「静かにして」と冷たく言った。急にクラスが静かになる。
 私の学校はもう期末テストは終わり、今は結果発表の真っ最中だ。テストが返されるたびに、「よっしゃあ!」とか、「うっわぁ〜」という声があちらこちらで聞こえる。「何点だった〜」と聞いている者までいる。『中間テストがなかったから、どうせみんなうかれてたんだろう。あんまり点は良く無いみたいだ』
私はそんなことを思いながら、先生から英語のテストを受け取った。結果は九九点。クラスの最高得点。『まぁまぁか。あ、thatとthisを間違えた。…ケアレスミスだ…』少し悔しかった。『こんな簡単なテストで間違えるとは思わなかったな』私は小さく舌打ちをした後、テストを折り畳んでファイルにしまった。
 次に返されたのは社会。これの結果は九八点で、英語と同じくクラス最高得点。しかも、社会は学年トップだった。『そんなに悪くはないけど…、これは漢字の間違いか…。やっぱりケアレスミスだ…』今度も小さく舌打ちをして、先程、英語のテストをしまったファイルに重ねて入れた。
 私の学校は中間テストがないので、ほとんどの人がテストの大変さを知らない。私は塾で毎月一回テストを受けているから、なんとなくだがわかるが。遅くても三週間前からは勉強しておかないと、範囲が広いからできなくなる。それに、実技教科のテストもあるから、一ヶ月くらい前から始めないと間に合わないだろう。もちろん、私は一ヶ月と一週間前から始めていた。学校の授業もきちんと受けながら、休み時間には教科書、ノートの見直しやまとめ、家に帰ってからは復習やテキストをやったりと、一日十時間くらいは家庭で勉強していた。
 しかし、だからと言って、勉強やテストが好きなわけではない。勉強だって本当は嫌いだし、やらないでハジけてしまいたいって思うときもある。でも、やっぱりやらなければいけないのだ。特に、テストはとても大切なのだ。
 一つ目の理由は、自分がどれだけ勉強内容を理解出来ているのかがわかるからだ。いままでに学校や塾で教わったことや家庭で勉強したことの内容が、テストではどれだけ理解できているかを試される。授業中に寝ていたり、ただボーッと授業を受けているだけでは、理解なんかとうていできっこない。でも、しっかりと授業を聞いて、その内容をノートにまとめたりすれば、復習のときに役立つし、何度も見直しをして覚えることだってできる。どんどん理解が深まるのだ。
 私だって、やるだけやったからこそ、学年で一位をとったり、クラスで一位をとったりできた。一日に十時間以上勉強したからこそ、良い結果がでたのである。私の友達で、試験一週間前から始めて、テストではボロボロだったという人がいたが、それはやらなかった自分が悪いと思う。テストは、毎日の勉強をしっかりやって理解すればするほど、それなりの結果が出るのだ。『テストを甘く見てはいけない』という言葉を、私はこの期末テストで改めて感じた。
 二つ目の理由は、順位が出ることだ。中学校のテストは小学校のときのテストと違い、順位がつけられる。つまり、一位がいればビリもいる、ということだ。この『順位』の良いところは、自分が今、集団の中のどのくらいの位置にいるのかがわかるということだ。上位十位以内に入っていれば、「結構上だな」とわかるし、百人中九九位だったら、「次はもっと頑張ろう」という気持ちになれる。私の友達は「次回はもっと早くから勉強を始めて、もっと上を狙うんだ」と張り切っていたし、私も、「次回もこの調子で学年一位を狙う」と決めた。順位が出れば、新しい目標も作れるのだ。
 確かに、テストは誰だって好きではないし、順位が出るのも嫌なときだってある。けれど、順位が良ければ成績が上がるし、テストのときだけでも必死に勉強すれば、それなりの力が身につくのだ。テストは決して無駄ではない。テスト(勉強)だけで二つの良いことがあるとは、まさに『一挙両得』である。マイナス面だけに捕われず、プラス面も考えながら勉強をすれば、きっとよいことがあるはずだ。一度、心を入れ替えて勉強をしてみれば、それなりの結果が待っているだろう。

   講評   inoko

 ポッターさん、怪我の具合はいかがですか? 怪我が続いているので、ちょっと心配ですね。
さて、今回は作文の丘からの送信です。点数化されるので、自分の文章の癖も見えてきます。評価をよく読んでおきましょう。中学での初めての定期試験後ということで、とてもタイムリーな課題でした。今回の作文は、いつもの作品と少し異なる印象でした。冷静に自分と周囲を見つめる目が感じられます。教室での出来事から、意見文への展開もなかなか自然です。二つの理由も、実例を挙げながらわかりやすく説明できています。マイナス面とプラス面という言葉を使って、まとめたところはさすが! 何にでもいい面と悪い面がありますからね。
異口同音する → 異口同音に言う


毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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