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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   古典の重要性   はるる

 現在の私たちの生活はほとんど欧米化されてしまっていて、日常においてなかなか古典に触れる機会が少ない。このような懸念を感じている人は多くいるはずだ。そして多くの人が思うように流行が新しく良いものとされ、古典をないがしろにする現代日本の風潮がこのまま加速していくと、将来大変な問題になるのではないだろうか。なぜなら「古典」という土台がなければ、それ以上のものを積みかせることは困難だと考えるからだ。
 その第一の対策は、自国文化を持つということの重要性を知ることだ。私たちは何かあると外を見たがる傾向がある。そしてすぐに比較しようとする。例えば自分が持っているおもちゃよりも、友達の持っているおもちゃの方が良さそうに見えたという経験はないか。それと同じように、私たちは日本と諸外国を比較してあたかも外国文化の方が優れたものであると錯覚してしまう。日本が染み付いた古典を古臭いと感じ、より新しいものを得ようとするのだ。しかし、実際グローバル化された社会に立つ時、古典はなくてはならないものになる。なぜなら、古典とは私たちのアイデンティティーそのものであるからだ。
 第二の対策は、古典を教育現場で現状よりも取り上げることが挙げられる。近年の日本の教育は「大学受験は英語を制したものが勝つ」と言われるように、国文学を押しのけてまで英語を重要視する。だが私たちが普段使っているのはあくまで日本語であり、その日本語はすべての学問に通じている。私たちは日本人で日本語を使っている限り、結局は日本語で物事を理解しているからだ。確かに現在は英語教育が流行している。それは世界の共通語が英語である限り、仕方のないことなのかもしれない。しかし、古典を理解しえないものが果たして本当の意味で理解し、それを使えるかは疑問である。
 確かに流行も大切だ。それは、今存在する古典ももともとは流行から始まったものだからだ。けれども、流行はそれだけで成立することはできない。古典があるからこそ流行は存在し、流行もいつかは古典となっていくからである。一番恐ろしいことは、古典を私たちが完全に忘れてしまうことではないだろうか。日本の古典から発生した流行は、私たちにまだ古典の存在を暗に示してくれたが、現代の急速な欧米化という流行は、それをしない。大切なのは、流行を頭ごなしに非難することではなく、古典を古き良きものとして留めておくことだと思う。このまま私たちが古典をないがしろにし続けると、将来大変な問題、それは完全な日本人としての土台欠落を招くだろう。

   講評   sugi

 古典というものを、古くからの日本の伝統文化という意味でとらえてまとめたのだね。すんなりと読める内容に仕上がっています。前学期までとは違って、問題に対する対策を論じてもらったのですが、二つの対策をバランスよく考えることができました。予測問題の主題を中心とした書き方も、問題なさそうですね。
 「古典とは私たちのアイデンティティーそのものであるからだ」「日本語はすべての学問に通じている」という部分、鋭い指摘です。どんな分野であれ、まずは安定した土台がなくては、その先のものを築くことはできないという主張ですね。
第一段落の「将来大変な問題になるのではないだろうか」は、具体的にどんな問題が起こるのかというところまで突っ込んで書いてみましょう。ここが難しいけれど面白いところです。
ここで中心になる「古典」という言葉を、どのような意味でとらえるのか、きっちり整理しておきましょう。日本の伝統文化・国文学なのか、あるいは流行の対義語としての「古きよきもの」なのか。後者であれば、日本という枠を超えて、幅広く問題を考えることもできそうです。

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