国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   転ぶウサギ   うっちー

 涼しい木陰から体を起こしてふと上を見るとすでに敵のカメさんはゴールの山頂の目の前にいた。イソップ童話「ウサギとカメ」の一コマだ。ウサギはせっかくの脚を生かしきれずに負けてしまうわけだがこのウサギの素早さこそ今世界中で忘れられようとしている。私はウサギのような生き方をしていきたい。
 第一の方法はあまり物事を深く考えないようにすることだ。ついこの前、試験最終日のホームルームで先生が、少し話があるから試験が終わっても残って待っているように言った。私達は一体何が行われるのかと心配していた。試験最終日はみんなどこかしらに遊びに行くので、全校の半分は携帯電話を持ってきている。そのことは先生は分かっているはずだ。それに私達の学校は持ち物検査をせずに生徒を信頼していることを売りにしているのだからそんなことはないだろう。では試験中はみんなが忙しくてできなかった何かのお小言でも食らうのだろうか。とみんなで気をもんでいたらいよいよ試験が終わって先生がきた。すると開口一番「先日の大会でクラスの中の二人が奮闘し、囲碁の県大会で優勝し、夏の全国大会に出場することになった」と告げた。なんだそうだったのかとみんなが胸をなでおろしたのは言うまでもなかった(笑)。ちなみにその二人はみんなの前で先生の自腹のラムネをもらった。
 第二の方法は普段から一を聞いて十を知ることができるように努力していくことだ。このようにしていけばおのずから判断が速くなりそれが行動をも速くしていくのだ。日本の歴史に大きく名を刻んでいる織田信長も簡単な報告からすぐに沢山のことを思いつき実行していた。桶狭間の戦いのときも相手の本陣の位置を聞いただけで戦略を練り大勝利をおさめた。また、戦の最中に送られてきた両端を縛られた小豆の袋を見て即座に撤退を決めるなどまさに普段から一を聞いて十を知るように訓練していたのだろう。
 確かに現実的で確実性を持ったやり方も大事だろう。それは何より織田信長の天下が長続きせず、徳川政権が15代も続いたことが物語っている。あまり速く行動してしまうと失敗も増えるだろう。しかし、「経験は最良の教師である」と言う名言のように成功するためにはなんとしても失敗するしかない。失敗を伴わない成功は価値がない。ウサギだってまた戦えば今度は必ず勝利するだろう。私はそんな七転び八起きの生き方をしていきたい。

   講評   jun

<第一段落>
 「ウサギとカメ」の一番印象的な一コマを書き出しに持ってきたところは工夫しました。情景描写もうまいです。
<第二段落>
 物事を深く考えないようにするという一つ目の方法は確かにウサギ的な生き方をするためには必要なことでしょう。あれこれ心配をしているばかりでは先に進めなくなってしまいます。ここに挙げてくれた体験実例はおもしろいのですが、方法を裏付ける実例としてはややわかりにくいです。「案ずるより産むが易し」ということわざを身をもって体験したというような話をさがしてみましょう。
 それにしても、自腹のラムネをプレゼントするとは、太っ腹な先生ですね。(笑)
<第三段落>
 「一を聞いて十を知る」という生き方も理想とすべきものでしょう。ぴったりの歴史実例がすばらしいです。
<第四段落>
 「失敗を伴わない成功は価値がない。」とは名言です。また、「ウサギだってまた戦えば今度は必ず勝利するだろう。」と、ウサギとカメの話にしっかり戻ってまとめているところは脱帽です。

☆新学期一作目から好調な滑り出し。森リン85点も立派です。
                             

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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