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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   サトシワールド 第六章 記憶   10人隊隊長

いつからだろうか……。
ここはカマーラ国とデュラン国の境目にある交易の町クルラン。東を砂漠が広がり、西には高い山がいくつもそびえたっていた。デュランとカマーラでは、いろいろな物を交換したり、また、傭兵達の仕事を見つける場所でもあった。しかし、この町でサトシが熱を出し倒れてしまったので、足止めを食っていた。ここで時間はさかのぼり、2時間前。サトシ達はこの町に入った。武器などの補充も考え、一旦宿屋に落ち着いたサトシ達。しばらくして武器などの買い出しに行こうと、1階に集まったらサトシの顔が赤かった。
心配になったウララが、
「サ、サトシ大丈夫?部屋で休んでたら? 」
と、彼氏を休ませようとしたらサトシはそれを遮り、
「だ、大丈夫だ。俺が行かなきゃやっぱ駄目だろう?さあ行こ……うっ、ぐっぐああー」
と、強気を見せた瞬間。サトシは胸を押さえて苦しみだし、その場に両膝をついた。
「サ、サトシ! 」
と、苦しみ出したサトシを驚きの顔で駆け寄るウララ。
「たっ、隊長! 」
と、ビックリして、他のみんなも駆け寄ってきた。
そして、サトシはその場に、静かに倒れこんでいった。
ドサ、と、自分が地面に倒れたところでサトシは、自分の意識が飛んでいくのを感じた。
『疲れがたまったかな。ふっ俺も…ま…だ……』
と、思った瞬間サトシの意識は飛んでいった。
アツシがサトシの腕を取って、
「脈は正常意識が飛んでいるだけです。なに、すぐに直ります。サトシならですが。ベッドに寝かせておきましょう。3時間くらいすれば起きますよ」
と、サトシの状態を的確に解説するアツシ。
「隊長……ここで待っても隊長が起きるわけでもないけどさ買い出し行かない? 」
と、みんなを誘うシン仕方なくみんなはついて行ったが、ウララだけ、
「私は残る。サトシが心配だから」
と、言い張った。
仕方なくシン達は買い出しに行った。見つかっては困るので、全員別々に行動をして、買い物を済ましていた。
宿屋では、ウララがサトシの事をしっかり看病していた。
「サトシ。死なないでね」
と、悲しそうな顔でサトシの手を握っていた。
その頃サトシは夢を見ていた。産まれてから今日までの、長い一生の夢を……。
5歳の時デモンと知り合い、12才でカマーラ国の兵隊に一緒に志願した。サトシは剣使いとしての訓練を受け、デモンは砂漠でも走れる騎士の訓練を各自受けた。そして自分は5年程訓練を積んでから除隊。デモンと別れ、各地を回り傭兵をやろうとしている自分を見た。この頃サトシには苦い思い出があった。国を出て始めて決闘を受けた時、サトシは何とか対戦相手に勝った。
しかし、サトシはこの時始めて人を殺したのだった。その時も今と同じように倒れて、誰かに宿屋に運んでもらい、2,3日はベッドから起きる事が出来なくなった。そしてもう剣が持てないと思ったとき、シンとアツシに会い、共に数年間修行して人を斬っても平気になってしまった。そして、ウララとの出会い。夜中に密かに会い、つかの間の幸せを味わっている自分。そして、シンとウララに置手紙を残してまた修行の旅に出て、3年位は、各地を歩き回っていた。この時から、サトシは名を上げていった。そしてカルドで暗殺業を始め、そしてあの謎の男のせいで、たった3年でやめるはめになった自分。デモンやシン、アツシ、ウララ、新たな仲間との出会い。今さっき倒れた自分。全ての記憶が鮮明に蘇ってきた。それにつられて、サトシの意識も、だんだん回復してきて、
『そうだな。俺はこのまま寝ているわけにはいかないな。あの男に対する復讐もあるし、まだまだやる事は沢山あるな。でも今は病気を治すためゆっくり休むか』
と、また眠り始めた。
そして2時間後。スースーと、サトシが寝息を立て始めたのを聞いて、ウララも安心して椅子の上で眠り始めた。
その頃町では大変な事が起きていた。ようやく町で買い物を終わらせたシン達。宿屋に帰ろうとしたら、町の端っこの方が燃えていた。全員急いで町の外に避難した。
「ふう。ここまで来れば良いんじゃないか? 」
と、火元からだんだん離れてもう大丈夫という所で、デモンがいった。デモン達がいるのは西側の、デュラン方面の湿った地域で、風も東に向かって吹いているので、火も回りにくいとても快適な場所にいた。
「あれ?隊長とウララは? 」
と、辺りを見渡して、首を傾げるマサ
「えっ?……」
『いない』
全員の顔から血の気がどんどん引いていった。その瞬間全員が散り、避難民の間をくぐり抜け急いで宿屋にかけ戻った。
こちらは宿屋。まだ火は回ってきてはいないが、窓の外には幾つもの火柱が上がっていた。
そして外にやっとデモン達が到着したその時、ドゴッと、嫌な音を立てて、向かいの家と、左の店から同時に火のついた柱が2・3本一気に落ちてきた。
「落ちてくるぞ」
と、空から見ているノリが注意したので、全員怪我をせずに済んだ。
「サンキューノリ」
と、シクラ。
しかし、落ちてきた柱の影響で悪い事が2つ同時に起こってしまった。
「なあこの状況ではいれると思うか? 」
と、タカが心配そうに聞いた。
そう。宿屋の入り口は倒れた柱によって埋まり、おまけに火がまわり始めたのだった。
「どっ、どうする?ウララと隊長焼けちゃうよ」
と、縁起でもない事を言うユウ。
『どうしよう』
その頃中では、2人とも周りの気温が暑いのに気づいて、飛び起きた。サトシも何とか回復していたので熱は下がっていた。見ると、階下から火の手が上がっていた。最初は追っ手の仕業かと思っていたが、窓の外を見て、町全体が燃えているのを見て、流石にここまではやらないだろうと思っていた。
しかし、階段が使えないと、壁を使って下に降りなければならない。サトシにはできる芸当だが、病み上がりのサトシにとっては、まだ少し足もふらついているので、無理だった。仕方なくサトシが諦めかけた時、下にデモン達が来ているのが見えた。サトシは、手紙を急いで書いた。
大至急手紙を書いたサトシは、自分の剣に手紙をつけ、窓をできるだけ上げて、デモン達に投げた。
そして2人は、火の中に消えていった。
ヒュッ、ザクと、デモンの前に剣が突き刺さった。
「あっ危ねー誰だ? 」
と、怒り口調で辺りを見るデモン。
しかしシンが、
「おいこれサトシの剣だ。何か手紙みたいなのがくっついてるぞ」
と、シンが手紙を見つけた。表には、
「ここで開けるな」
と、書いてあった。
しかし、全員気になるので、この場で開けてしまった。
「お前達の事だから多分これに気づいてすぐに開けてしまった事だろう。それはまあいいだろう。俺は大丈夫だ何とか生き延びて見せる。少し手間取っているから先に行け。隊長命令だ。この先のデュランの首都には俺のライバルといっていい男がいる。この裏には、そいつ宛の手紙を書いておく。そいつに話せばしばらくは大丈夫だと思う。間違っても死ぬな。なにすぐに追いつく。こっちにはペガサスもいるからな。それじゃあまた byサトシ」
『……』
読み終えて、全員声も出なかった。
その時、ドーンと何かの破裂する音がした。全員油断無く構えた。その音は、単なる始まりでしかなかった。
そう宿屋が、崩壊していったのだった。宿屋が壊れるのを見届けた全員は、命令どうり首都に向かい始めた。隊長がいないと、なんとなく雰囲気が悪かったが、生きていると言う可能性にかけて、デモン達は進んでいった。隊長が生きていると信じて……。
この時シンはふと、昔を思いだしていた。
『そういえばサトシと始めてあったときもこんな事があったな。いつからだろうかサトシが普通に人を切れるようになったのは』

   講評   kira


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