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　　　「痛い!!」　　　ミディ

　「疲れたね、階段を登ったらすぐに家だよ」
と言われ疲れ気味だった幼い頃の私は母と姉の後に付いて行った。するといきなり荷物に押されてゴツゴツの地面へと落ちてしまった・・・。(書き出しの工夫)それは私が２，３歳の頃だったろうか、母と姉と私でスーパーへ行って買いだめして来た為荷物は多かった。そして４段ぐらい登った所に有るマンションに入るドアを母が鍵で開けている時、荷物に押されていつの間にか私はコロンと凸凹の地面に転落してしまったのだった。
　その時の気持ちは記憶に残っていないけれど、きっと痛いとしか頭に浮かんで来なかっただろうか、ひたすら泣きじゃくって母達を驚かせた。母と姉は私が落ちているのを見て速家へ戻り姉が見守る中母が救急絆創膏で右眉の上のまるで口の様にパッカリと開いた傷口を手当てしてくれたが、なかなか血は止まらずとんでもない状態の様子だ。そこで車で泣き喚く私を連れて病院へ行きすぐに医者に治療を行ってもらった。麻酔を打ってもらい針で縫ってもらい、医師から
「小さいのに泣かなかったね」
と褒めてもらった。私は最初、泣いて、泣いてうるさかったのに治療が終わったらけろっとした顔でいる。帰って褒めてもらったので得意気になっている様子だった。その後キティちゃんのシールをもらい笑顔で帰ったのだった。
　今、私が思ってみればもしその時痛みを感じずに泣いていなかったら母達は気づかなかったと思う。気付いたとしても血を流したまま笑っているなんて奇妙だと思われてしまう。なので精神病院にまちがえて連れて行かれるかもしれない。(ユーモア)だから泣いている時は自分が痛いと表現しているという事になる。という事は泣いていなければ痛くないので注射を必要以上に刺したり、必要以上にご飯を食べたりしても全く痛くない。しかしそれでは体に変な症状が現れたり、食料が減ったりする。まだ傷などが見えていたら手当てはできるが、話せない患者がいきなり何処か骨などが痛くなっても無表情なので自分の気持ちが分かってもらえない。下手すれば、最悪の結果になるかもしれない、という結論になってしまうので大変だ。
　何故ならば私の考えでは自殺する人が増えると思う。痛くて自殺できないと思って自殺できない人がいると思う。だから痛みを感じなかったら自殺する人が増えるから痛みはあったほうが良いと思う。いきなり荷物に押されてゴツゴツの地面へと落ちてしまった私は痛かったのは嫌だったけれど気をつけておかないと今度はマンションの３階あたりから転落してしまうと思った。そして、「痛い」という気持ちが人間にあるという事は命が助かるほど大事な事だと分かった。(書き出しの結び)

　　　講評　　　onopi

　痛かった思い出というテーマで書いてもらいました。三歳頃の出来事ということですからその時の気持ちを思い出すのはむずかしかったと思います。ですが痛かった思い出というのは細部まで覚えていないにしても記憶に残りやすいということは実感できていると思います。第一段落から第二段落にかけてその当時の様子をユーモアを交えながらよく説明できていると思います。たとえも使えましたね。第三段落から痛みについて考えを深めならが書くことにチャレンジしてもらいました。（泣く事が痛みを表現する一つの方法である。）ということに気づいたのはいいことです。（泣く事が痛みを表現することになるから泣くという行為は大切だ。）ということと（痛みを表現することは大切である。）ということはつながると思います。しかしそこから（痛みを感じることは大切だ。）という結論にもってくるには説明が必要になると思います。第四段落のわかったことはとてもよくまとめられていました。