創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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皆、家族。 さぼてん
昨日、母と祖母が汗だくになって干した梅干が、今、私のとなりの机でまだ干してある。今、母は庭で水遣りをしていて、犬もそこに居る。さっき父が出勤し、私は作文を書いている。そしてこの三人(母父私)と一匹(犬)が私の家の家族構成だ。でも、父は大抵、会社に行っているから、この夏休み中家に居るのは私と母と犬だけだ。そして家の中ではかかあ天下で、家の外では(表向きに)父が大黒柱と言っている。これはあくまでも母談だ。
そんな母はというと、もう水遣りから犬とともに戻ってきて、布団や机やなんやらをあんまり力の無い腕であっちやこっちやと運んでいる。つまり朝っぱらからフル活動しているのだ。そして(大分)おっちょこちょいな面もある。少し前に、
「ねぇ。眼鏡知らん?」
といってきた事があって、私はその母を見もせず
「知らん。」
といった。
「えぇ?」
といわれても、こっちはどうしようもないのだけど、一応、母が去ってからぐるりと周りを見渡して「無い」と確信すると、テレビを見始めた。
「えっと、さっき洗面所で・・・」
とか、母がぶつぶつ言っているときに、私がちら、と母のほうを見ると、もうちゃっかり眼鏡をかけていた。
「かけてるじゃん。」
私は馬鹿にされたのだと思ってそっけなく言った。
「嘘!!」
母は気づいていなかったらしい。こんな事が何度かあった。
そして、父はというと、私が思うに、母より犬のほうに愛されているんではないかと思う。
「只今ー。」
と帰ってくると、母より先に犬が駆け寄って、足に飛びつく。そして父も
「あー。よしよぉし!」
とかなり犬を相手にしている。その後父がお風呂に入ってしまうと、犬は脱衣所に寝転がってずっと父が出てくるのを待っているのだ。帰りが遅い父のためにというわけではないが、私が遅くまで起きていて、父と犬の行動を見ていると、本当にそう思うのだ。そして、なんと! 寝るのも二人、違う一人と一匹(ややこしいな)一緒なのだ・・・。
そんな家族でも、家族は無ければ人は生きていけないし、「家族」というくらいなんだから、その人そのひとの帰る場所の「家」にいる、「族」・・・? まあ要するに「人々」。なのだから無くてはならないものだ。そして、その家族にもさらに家族がいて、その家族にもまた家族がいて、その・・・家族関係は果てしなく続いて、最終的には皆家族だったかもしれない。 今まであった梅干が今は外に干され、だんだんしわが出てきている。
講評 yama
毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘
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しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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