創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   読書をするときには   くろーばー

 字が読めないころ、『漫画の描き方』という本を読んだ。私としてはとても印象に残っている。なぜかと言うと、字が読めなかった私はその本を違う解釈をしてしまったのだ。下手な手品は一方しか見られない、というが魔法はどこから見ても魔法だ。1人1人の意味の受け取り方が違うのは、まったく同じ考えを持っている2人など、ほとんどいないも同然だからだろう。古典などの難しい本は、歯の立たないものを噛んだつもりになって見当違いの解釈をすることもあるが、それこそが読書の楽しみなのだ。
 つい最近私が気に入っていた本を同級生にすすめてみた。すると2日後にその本を持ってその子が現れて、『うーん、始めの方だけ読んでみたけどなんかよく分かんなかった〜。てゆーか漢字多すぎだし、字ぃ小さいんだもん。』と言ってそのままとっとと本を返していたのだった。私は信じられなかった。確かにその子はあまり読書をしているほうではなかったが、面白かった、とか楽しかった、ではなく、単なる漢字が多い、とか字が小さい、という感想を聞くことになるとは思わなかった。しかしなぜ分からなかったのだろう、とそのとき思ったが、よくよく考えてみれば私と友達が同じ本を読んで、必ずしも同じ感想を述べるかどうかは分からないのだ。1人1人の個性の問題であるとも思う。
 少し前のことだ。私の友達は、みんなにマニアと言われるほどある漫画が好きになって、色々なグッズを集めては、男子達と交換したり、好きな人(と言うよりキャラクターだと思う。)はその漫画のキャラクターだと言い張ったり、(笑)自分でイラストを書いてみたり、とにかくすごかった。先生までもががあきれるほどだ。だが私はその漫画を見たことも聞いたことも無かった。(とはいっても名前は一応知っていた。)なのでそのマニアな友達に、
『ねぇねぇそれ見して〜。』
と言ってみた。すると快く見せてくれたので、私や他の友達と一緒にそのイラストに目を通してみた。
『・・・・・・・・・・・!?』
異様な不陰気が漂った。確かに・・・少年コミックスなどの漫画を読んでいる人から見ればかっこよくて憧れの存在(?)であろう。でも普通に特に何も好きな漫画が無い子から見れば何の変哲もない漫画だと思うし、逆にくだらない、と思われることだってあるかも知れない。相手にはどんなに良いものだと思われているものでも、別の立場から見ると違って見える。とはいってもどちらが正しい、とか間違っている、という事はない。その点が読書と共通する部分ではないだろうか。
 読書とは人間にとって心の栄養であると分かった。それはただ1回読んで終わり、と言うのではなく、1回目は自分の視点で、2回目は○○を悪いと考える視点で、という風に、見る目を変えて読んでいけば、さまざまな知識が蓄えられるはずだ。でも読まないことには『まかぬ種は生えぬ』というように何も始まらない。私はこれから、読書をするときにはさまざまなジャンルの本を、色々な目線で読んでいきたいと思う。

   講評   yoo

 くろーばーさん、こんにちは。夏休みももう後半にさしかかりましたね。今週は「休み宿題」でしたが、長文をしっかり読んで上手に表すことができました。たいへんよくできました。

<第一段落>
 要約……要約をするときの文章の選び方がとても上手です。最後に読書の醍醐味についておさえた点は、特に素晴らしいですよ。
<第二段落>
 似た話1……同じ本を読んでも人によって感想がまったく違う良い例を挙げられました。本の内容についての見解の相違以前に、読みにくいので読まなかったというのは、おもしろい反応ですね。
<第三段落>
 似た話2……漫画のキャラクターにはまっているお友達のことを、ユーモラスに教えてくれたね。先生が中高生の頃にも、こういう子がいたなあと思い出されます。くろーばーさんが、見てもどこがいいのかよくわからないというのが、長文の主旨にぴったりですね。
 ユーモア表現……「好きな人が漫画のキャラクター」というのは、はたから見てると変わっていておもしろいですね。でも、本人は、やっぱり真面目に言っているのでしょうか?
<第四段落>
 一般化の主題……「読書は心の栄養」とは、良い言葉ですね。まさにその通りだと思います。何回か読み直すと、また違った目線で見ることができたり、中学生の頃に読んだ本を、大人になってから読み返すと、また違うことに気づかされたりします。いろいろな良書に出会うことは、素晴らしい経験だと思いますよ。
<表記>
 漢字の間違いに注意しよう。(^o^)/
 「1人1人」→「一人一人」
 「不陰気」→「雰囲気(ふんいき)」
      

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