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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   論理的思考の訓練について   えせち

 論理的に思考し表現する能力に長けていて、相手に自分の考えを伝えたり心を通わせることの出来る人が国際人として活躍できるのだろう。しかし日本人はこの能力に欠けているという。それは受験勉強のために知識やテクニックの習得ばかりにおいまくられ論理的思考の訓練は置き去りにされているからなのか。それに比べてアメリカ人などは小学生の頃から論理的に考え表現し行動することの訓練を十分に受けているので知識量では劣っているがそれらがうまいのだそうだ。
 自分の思っていることを相手に的確に伝えることはなんと難しいんだろうと思うことがしばしばある。ぼくの学校には2年前までリセ・フランコ・ジャポネ(フランス人学校)が同居していた。ぼくたちの生徒数が少なく教室があまっていたので間貸ししていたのだ。リセは独自の授業形態を取っていたので時間割や給食の内容もぼくたちとは違っていたが、唯一中休みは同じ時間にグランドで遊ぶことが出来た。その時よく狭いグランドの場所取りで言い争いになった。無論ぼくたちがフランス語でけんかしたのではない。ハーフの子で日本語ができる子が通訳だ。ぼくたちはドッジボールをしたいけれどリセはバスケットボールをやりたいからどうしても場所が重なってしまう。そんな時にどけよと言わんばかりに無視して遊び始めるのがリセの子だ。だからぼく達はよく抗議した。
「いつも占領するなよ、おれたちの学校だぞ。」
 と言ってもリセは先に来たんだからいいじゃないかと権利を主張するのだ。そしてボールが飛んできたらわざと別の方向に蹴るような意地悪をされた。あいつら協調性がないんだ。そんな時お互いに譲り合う気持ちが生まれるようなことを言えたらなと思う。それに日本人同士だったらことばにしなくてもなんとなく相手のいいたいことわかってくれそうな気がする。まだまだ意見を通すための表現力はぼくたち日本人には育っていないと思う。あの時もっと話が出来ていたらと思ったけどリセはもういない、後悔先に立たずだ。
 それからこんなこともあった。去年の夏休みにクルージングに参加した時のことだった。お父さんとお母さんは後から合流するからとぼくだけが先に船に乗せられた。かわいい子には旅をさせよと言うわけだ。ヨットのうえで1週間生活するのだから勝手な行動をしたり計器にさわらないことの注意事項の他に、やりたいこととお願いごとを自己主張するようにといわれて乗船した。それは大人がみんな忙しそうだからと遠慮して自分でやろうとするとかえって迷惑をかけてしまうからだ。そんな時ぼくは岸壁からヨットにうまく乗り移れなくて腕だけの宙吊りになってしまった。その時はかなり叱られた。自分ひとりで出来そうな気がしたから大声で助けてくださいと言えなかった。これは論理的思考を省き伝えなかったために起こった大きなミスである。
 自分の考えをまとめる・効果的にものごとを説明するようにと注意を受けることがある。また算数の問題を解く時は一度に答えを出そうとしないで式を書きながらこうなったから次はこうなると考えていけば簡単でしょと言われる。物事には順序があってこれをやるためにはまず何をしなければならないのかを考える。また相手がなるほどとうなずくように説明する。こんなことが生活の基本だと耳にタコができるほど毎回何度も繰りかえされる。これこそがまさに論理的思考の訓練なのであろう。

   講評   hamura

           
 大変よく書けました。考えや意見をキーワードを使ってまとめると、伝わりやすいです。毎回すばらしい作文を提出してくれる航之介くんの、9月からの作文もとても楽しみです。9月1週は進級試験です。字数と項目を守って合格しましょう。  

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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