創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   自由と時間   ポッター

ヒトを生物の一種とみなした場合、個人レベルではなく、人間自身がつくった社会システムに依存して暮らしている点からである。飼育動物を例にして考えてみると、比較生態学的には否定する論拠はない。飼育動物はそれなりにフリーに動いてはいるものの、少し大きな目で見ると人工的につくった場の中でフリーなのにすぎない。狭い檻の中で飼育されている場合と違って、放飼場のついた飼育場で飼われていたらどうであろうか。どれほど大きな違いがあるだろうか。毎日、自転車などで鎖につながれて走っているイヌと、満員電車でゆられてオフィスに往復する人々との違いは、たまに寄り道するのと、自分の選んだ道(企業体を含め)であるかの違いで大した差異はないとも言える。違いは社会的・文化的な面があるかどうかや、鎖が目に見える具体物かどうかであるとも言える。              (要約)         
 大切なのは、その場や枠の中で、どのように考えて行動するかだと思う。その中で、「自由」という言葉については、とても大きなモノである。
 理由の一つは、「自由」という言葉は、どのようなときにでも使えるからだ。
 自由という言葉には、いろいろな意味が含められていると思う。けれど、大きな意味は「自分の思うように行動する」ということだ。
 しかし、ただ自分の思うように行動すると言っても、それなりの限度がある。「自分の思うように行動する」ということばかりをしていると、周りが見えなくなってしまうからだ。例えば、ゲームが好きだからといってゲームばかりをやっていると、やらなければいけないもの(宿題や勉強など)が出来なくなってしまう。かといって勉強ばかりやっていても、頭が固くなってしまうだけでもある。勉強の「自由」と遊びの「自由」。どちらも大切なことなのだ。
 私のクラスは、学校一と言っていいほど、自由気ままな人が多い。朝学習の時間というものがあるのだが、そんなものは全く無視。手紙をわたしたり、野球ボールを投げ合ったり、席を離れて立ち歩いたり…。以前ドラマでやっていた「ごくせん」よりはひどくはないが、これも相当大変なレベルだと思う。授業も、男の先生の授業は大人しいのだが、女の先生になると態度が一変する。先生が話しているのに聞く耳を持たず、遠くの席同士大声で話し合ったり、消しゴムや鉛筆の芯を投げ合ったり、教卓の前で堂々と寝ていたり…。それに関わりたくないのか、あるいは無関心なのか教科書とは別の本を読んでいる人までいる。注意をしても一瞬静かになるだけで、またすぐにうるさくなってしまう。だから、授業がなかなか進まないのだ。一つの科目時間が五十分。その時間内で、やらなければいけないことは必ずあるのだ。けれど、私のクラスではそれが出来ない。だから、一学期のときも私のクラスだけ途中までしか終わらなかったのだ。この自由は、自由という「枠」を遙かに越してしまっている。
もはや自由ではなく、「妨害」になってしまっているのだ。「時間」は限られている。その時間の中では、自由になってはいけないと思う。集中するときは集中し、自由なときは‘限度を超えない程度に’自由になる。これが大切だと思う。  (体験実例)
 理由の二つ目は、「自由」という言葉の‘発展’も必要だということだ。自由の発展とはどういうことなのか。それは、自分で考える力である。
 例えとして、ニートとパラサイトを挙げてみよう。ニートとは、現代社会でも問題となっている、職に就いていない、ただ家でだらけながら過ごしている人のことだ。これは完全な「自由」である。しかし、これは自由すぎて困るのだ。何もしていないと、暮らすことすらままならない。いや、いつか絶対に暮らせなくなってしまう。
 パラサイトにも同じ事が言えるのだ。パラサイトとはずっと親の元で暮らすという、いわゆる甘えというものだ。料理、洗濯、掃除などの家事を、全て親にやってもらう、そんな人のことを、パラサイトという。このパラサイトも問題になっていて、「自由すぎる」のだ。親がいつまでも生きているわけではないし、いつまでも一緒というわけにもいかない。
 この二つに共通することは、自由以外に、成長(発展)していない、していかなければいけないということだ。ニートは職を探すこと、あるいは職に就くことで成長し、パラサイトは親からはなれ、独り立ちすることで成長する。これが、「自由の発展」である。同じ自由でも、意味は全く違う。「だらけ」から「計画」へ、「甘え」から「自立」へと変わっていくのだ。ゆっくりと時間をかけてもいい。いつ終わるかわからない人生のなか、時間のなかで、どれだけ成長できるかが大切だと思う。 (体験実例)              
確かに、「自由」というのは自分の好きなことだけをやってしまうという悪い面もある。しかし、「なまけ者であることを批判するよりも、人間はもともとそうしたものだというところから出発するべきだ」という名言もあることから、幼い自由を大人の自由にしていくことが良いことだ。「自由」の言葉の意味をもっと深く考え、普段の生活でその自由の時間を使ってみたいと思う。
       (反対意見への理解・名言の引用・是非の主題)

   講評   inoko

 ポッターさん、こんにちは。お電話では、ニートから原始人まで、やや話を広げすぎてしまったかと心配しましたが、ポッターさんなりに消化して、自分の意見と考え合わせながら、さらに自由という言葉に対する考察を深めることができましたね。中学生になって、住む世界が少し広くなり、広い視野で物事を見ることができているのはさすがです。いろいろなことに問題意識を持つことが、考察力、洞察力を深めることにもつながります。いろいろなことを考えることのできる自由を、大いに活用してくださいね。
☆ ポッターさんの意見の中に、新しい名言が含まれているようです。自由というひとつの言葉を、いろいろに解釈しようとしたところも高得点につながる要因となりましたね。

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