創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   分かりやすい文章が書きたい!!   ノンキィ

 目は大変有効な感覚器だが、物の大きさがわからないという面も持つ。物の大きい小さいは見ればわかるが、それはあくまでも相対的な大小である。だから大きさの絶対値がわかるものさしをとても便利なものだと考えるのだろう。つまり視覚系は、その中に絶対座標を持ち込むようには進化してこなかったのだ。
 何かを考えるとき私たち人間は、相対的なものの見方と絶対的な見方の両方を駆使してそれを行う。どちらもわれわれにとっては必要不可欠な要素であり、私たちが何かを説明しようとするとき、それらはとても重要なポイントとして活躍してくれる。けれど、そのどちらにもやはり長所、短所はあるようである。
 例えば、 “蟻よりも大きく、象よりも小さく、触った感じがウサギに似ている動物はな〜んだ?”といわれて、それが何のことを指しているのかわかる人はいるだろうか。蟻より大きく象よりも小さい・・・・・・。そりゃあたいていの動物はそうだろう。また、触った感触がウサギに似ている、ということはつまりふわふわだということであろうか。それならパンダも犬も猫も熊も狸も猿も、およそ思いつく限りの哺乳類はそうではないか。きっと、
「だめだ、こんな不親切なヒントでは、それが哺乳類だということぐらいしか分からない!!」
というような苦情が多々出るに決まっている。そこで、少々質問の内容を変えてみた。もちろん指している動物は前者と同じものだという前提の下で。“体長約60〜80cm、四本足で尻尾があり、平均3〜10kgの動物はな〜んだ?”・・・・・・。確かに具体的な数字が多く、わかりそうなものである。けれど、体長が約60cmで重さ5kgの哺乳類が、一体この地球上に何十種類いるだろう。その中からただ一つの答えを導き出そうと思えば、もはや勘            に頼るしかない。だが、そうして勘に頼った結果答えが何か断定できる確率はほぼゼロだろう(笑)。けれども、この問いをこういう風に変えてみたらどうだろう。“ウサギよりも大きく、犬よりも小さく、三角の耳でトラを縮めたような、にゃ〜おと鳴く動物は何だ?”。これならすぐにわかる。答えはずばり、猫である。このように、人にあることを説明しようとするときには、たとえそれが誰もが知っているものであっても「相対的な視点」から見た説明と「絶対的な視点」から見た説明が必要であることがわかる。この場合、言うまでもないが、はじめに問うた内容が相対的な視点、そして後者が絶対的な視点だといえる。そして、両者のプラス面とマイナス面は実は今挙げた例の中に含まれている。
 まず、プラス面から。相対的なものの見方の長所は、わかりやすさ、創造しやすさにあると思う。例えばテストなどを返されたときに、「○○さん、今回は××さんより10点高かったよ」とか、「上から何番目でした」といわれた方が、ただポンッと点数を知らされるよりもどきどきする。(それが喜びか悲しみかは人によって違うだろうが。)一方で、絶対的な視点には文字通り絶対的な確証がある。どうしても正しいデータが欲しいとき、
「それの大きさはだいたいハンドタオルくらいだよ」
といわれても困ってしまう。この地球上には様々な大きさのハンドタオルがあるからだ。これがいったい何を説明しているのかは不明だが (笑)、そんなときはだいたい20㎝四方のものだ、と言ってもらった方がありがたい。(複数の意見一)
 次に、それぞれの欠点だが、これはいたって簡単である。なぜなら、相対的な視点の長所は絶対的な視点の短所であり、その逆も同様であるからだ。相対的視点には物事を数値ではっきり正確に表すことは出来ないし、周囲との比較には限界がある。かといって絶対的な視点にわかりやすさを求めても無理である。つまり、相対的視点と絶対的視点は裏表の関係にあるのだと思われる。(複数の意見二)
 「朝の来ない夜はない」という名言がある。夜がなければ朝は来ないし、朝があるから夜があるのだ。つまり朝と夜は切っても切れない関係にあるということだ。相対的視点と絶対的視点にもこれと同じことが言えるのではないか。両者はお互いに切り離されてはもはや存在の価値はない。私たちが何か言おうとするときに、絶対的な考えがあってこそ相対的な視点が光り、また相対的な視点が絶対的な視点を支えているからだ。だから私たちが普段、あるいは公の場で何かを人に伝えようとするとき、いかにそれを分かりやすくするかは、その中に含まれる相対的視点と絶対的視点のバランスにかかっているのである。(総合化の主題)

   講評   nara


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