国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   いろいろ   れもん

 視覚系は絶対座標を持たず、相対的な大きさで認識される。例えば、太陽をひと目見ただけで、その大きさを正確に認識することは不可能であるし、一本の使いかけの鉛筆を
ひと目みて、それが何センチなのか何の道具も使わずに知ることはできない。こんな視覚系を持つ生物の一種である、人間もまた、他人なしに自分を発見することはできない。自分も、他人も、物品の性能や良さも全て、他と比較することで評価していることが多い。「自分は背の順に並んだとき、後ろのほうだから背が高いんだな」とか、「試験の順位が高いから、私は勉強ができるんだ」とか、あらゆる事柄が、相対的な見方で成り立っている。「昨日解けなかった問題が解けたから、私は優秀だ」と思うことは滅多にないのである。相対的な見方と絶対的な見方、どちらを重視すべきなのだろうか。
 第一に、相対的な見方のほうが便利だ、という意見がある。これは日頃私も、無意識によく使う、ものの見方である。私は、幼稚園の三年間ずっと、背の順で一番後ろが定位置であった。そのため、私はいつの間にか「自分は背が高いほうなんだな」と認識していた。背が高いとか低いというのは、明らかに他の人たちと比較しなければ分からないことだ。例えば自分の身長が160センチと分かったとしても、その事実だけでは高いか低いかなんて分からない。平均身長などの、基準があるからこそ分かるものなのである。このように、相対的な見方をすることで、簡単に色々なことを知ることができるのだ。(複数の意見一)(体験)
 一方、人生には絶対的な見方が必要なときもある。数年前、「世界に一つだけの花」という歌が大ヒットを記録した。あの歌に示されているように、高卒で就職する選択も、大学に進学する選択も、どちらが幸せな人生かとか、正しい人生かなんて比較することで、判断することはできないのだ。それぞれの人が皆異なる感覚や夢や目標を持っているのだから、それは、相対的な見方をしたって何も意味がない。(複数の意見二)
 このように、絶対的な見方も相対的な見方も、どちらも生きる上で大切な感覚である。しかし、一番大切で重要なことは「家の批評ができるのは、建築家ではなくそこに住む人である」という名言もあるように、どんな見方をしようが、されようが、自分自身を理解し、確立して、自分にとっての目標に向かって前に進んでいくことである。一人一人が、その意識を持つことができとき、世の中が活気ある華やかなものになるだろう。(総合化)(名言)
              

   講評   nara

 長文は、生物学的なものの見え方という説明だったけれど、それは、意識という面にももちろん当てはめることができる。脳の機能に関わるところだからね。自分の体験を思い起こしてみると、大方の場合、ものの見え方同様、相対的な評価を元に判断を下していることが多い。人間の脳は絶対的な見方・思考法が苦手なのだね。しかし、苦手だからこそ、意識的にそういう方法をとることで、今まで見えなかったことが見えてくる、わかってくるはずだ。
 他人との比較は、自己規定のわかりやすい方法だね。身長の話は具体的だね。相対的な情報処理方法の弱点は、だれと・どんなグループの中で相対化するかということになる。どんなに幼稚園で背が高い方でも、小中学生時代の中に入っては低いのは当たり前。わかりやすさのための相対が、かえってわかりにくさにつながることもあるよね。
 絶対的なものの見方は「他と比べない」ということだという、ここはいい意見だね。比較はわかりやすいけれど、どうしても上下や優劣という判断につながりやすい。その判断の中で切り捨ててしまうことは、多いのかもしれないね。絶対的な見方が、何かを排除するために(例えば、○○ができないからダメ、とか)使われるのではなく、光を与えるために使われることが大切なのだなぁ。
 まとめにあるように、絶対も相対もどちらも必要な視点だけれど、私たちはときにどちらかに偏りすぎることがあるのだね。どちらかが是でどちらかが非ということではなく、バランス感覚の上に成り立たなければならないもの、そして、自分の中にその基準を作ることが大切なのだね。
 締め切りまでに届くかヒヤヒヤしたけれど、大丈夫だったね。進級テスト合格。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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