国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   存在感と自信   ポッター

 ぼくらはじぶんの存在をじぶんという閉じられた領域のなかに確認することはできない。ちょっとややこしい言い方をすると、ぼくらには「他者の他者」としてはじめて自分を経験できるというところがある。ぼくらはじぶんをある他人にとって意味のある存在として確認できてはじめて、じぶんの存在を実感できるということだ。理由はなんでもいいのだ。要するにじぶんの存在が他者にとってわずかでも意味があること、そのことを感じられるかぎり、ひとはじぶんを見失わないでいられる。
 じぶんを見失わないことは、他人を見失わないことに繋がる、じぶんと他人との関係を深めるものであると思う。
 理由の一つは、じぶんを見失わない、すなわち、相手がじぶんの存在を大切にしてくれれば、じぶんも相手の存在を大切にできるからだ。よく、何か一つのことを失敗したからといって、じぶんの殻に閉じこもってしまう人がいる。「自分は必要とされていない」と思ってしまい、周りを拒絶せてしまうという現象も起きてしまう。けれど、誰かがじぶんの殻を溶かしてくれれば、あるいはじぶんの存在をすこしでも大切にしてくれれば、じぶんは「じぶん」を取り戻せる。
 私は男子友達や仲の良い先輩やらが多いので、殻に閉じこもってしまうことは滅多にない。(というか絶対ない)ときに、「自分が男勝りな性格で良かったなぁ」と思ってしまうこともある。また、私のクラスも「一年生で一番うるさいクラス」と言われるほどなので、殻に閉じこもっている人は一人もいない(と思う)。女子も男子も賑やかで、そこを通り越して「うるさい」と言われてしまうのだから、そんな人がいたらなおさらなおさらおかしいだろう。
 でも、もしそのような人が一人でもいたらどうするのか。その人から接しようとして来ない場合は、自分から接しようとしなければならない。何か一言声をかけるだけでも良い。ほめ言葉でも、応援でも、なんでも良いのだ。その小さな一言一言だけでも、その人の殻は割れ始めてくるかもしれない。相手が自分の存在を少しでも大切にしてくれれば、それを自分がわかれば、自分は自分を取り戻せるのである。
 理由の二つ目は人と繋がることで自信が持てるということだ。
 人は自分一人では何も出来ない。誰か一人でも仲間(味方)がいないと、何をしていいのかわからない、自信がなくなってしまうということがある。会社通いのサラリーマンやOL、手に職を持っている人なんかは特にそうだろう。
 仕事は何でもそうだが、他の誰かと分担してやらなければ良いモノは作り出せない。一人でやるのと大勢でやるのとでは、訳が違う。一人でやると目が回りそうなくらい大変だし、大幅の時間を消費しなければならない。また、プレッシャーも大きい。それに比べて大勢でやるほうは、それぞれに役割があるので、「それだけをやればいい」という安心感のようなものがある。人数が多いと時間も短縮出来る。それに何より、「自分一人ではない」という気持ちから、自信が持てるのだ。一人ではなく大勢の方が、自信が大きいのだ。
 確かに、何かを自分一人でやらなければいけないときや、殻に閉じこもりたいと思うときもあるかもしれない。しかし、「持ち物を確認するのは実力に自信がない証拠である」という名言もあるように、殻に閉じこもったりするのは自信がないことを周りに知らせているようにしか見えない。そうではなくて、出来ないときは自分から誰かに頼むことが大切だ。決して自信がないわけではなく、また、そのような素振りを見せない。自信を持って、自分を、他人を見失わずに人生を歩んでいくことが、大きな一歩になると思う。

   講評   inoko

 ポッターさん、こんにちは。ポッターさんの感想文を読んでいたら、「袖すりあうも他生の縁」ということわざが頭に浮かびました。広い世の中で出会ったことは、何かの縁だろうという意味ですが、そう考えると、偶然同じクラスになった同級生と、せっかくですからいろいろ話してみようという気にもなりますね。生きていることは、もちろん自分のためではあるけれど、人は一人では生きていかれません。助け助けられることでお互いの存在意義を感じ、よりお互いを必要としていく。これが健全な人付き合いというものだと思います。それがうまくできない人が多い昨今。そうなってしまう原因は、一体どこにあるのでしょう?
☆ 「殻」が、キーワードになりました。周囲の人間と順調に良好な関係を結ぶことができているポッターさんですが、そうすることのできない人の気持ちについて、ポッターさんなりに考えていますね。前向きな結論は、とても頼もしく感じられます。


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