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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   サトシワールド 第11章 運命 第12章 情報   10人隊隊長

これも運命か……。
デュランの留置所で血を吐いて倒れたサトシ。その後戦いは、ワタルがいたのでなんとかなったが、サトシを守りながら攻撃をしなくてはならなかったので、やられるかもしれないという場面もいくつかあった。
しかし、ノリとウララが到着したので、戦況は一気にワタル達のほうに傾き、戦いにはなんとか勝利した。
そして夜の闇に紛れ、サトシはノリの飛竜に横たえられ、トモヤの家で手厚い看護を受けていた。
ここは、サトシが横になっている部屋。ベッドを中心に、仲間が全員囲んでいた。
「こんなに重い病気に掛かってるなんて」
と、不安げにデモンが呟いた。
「病気に掛かり始めたとは聞いたがな」
と、ノリが心配そうにサトシを見て答えた。
「しっかしどうするサトシがまた血を吐いたら」
と、恐ろしい事を言うタカ。
「縁起でもないこと言わないでよ。本当になったらどうするのよ。そのまま死んだらしゃれにならないわよ」
と、ウララが不安そうに反論。
「そこまでタカも言ってないと思うけど……」
と、マサが突っ込み口調で答えた。
その時。サトシはまた意識の中を飛んでいた。
『またここかこれで何回目だ』
と、ぶつくさ文句を言っていると例の二人が出て来た。
『これはどういう事だ。あれだけ毒を出しても足りないのか』
と聞いたら、
《それが運命です。そうですね1日十回位で、大丈夫だと思いますよ》
と言ったので、サトシはホッとした。まず死ぬ事は無いと言う事がわかったからだ。
《1個言い忘れていました。魔法をもう1つ覚えますか今度は火の魔法ですがどうしますか? 》
と聞かれたので、サトシは
『頼む』
と、答えた。
《ではまた後に続いて唱えてください。大いなる自然の力を司る火の精霊よ。我の声に従いその力を解放せよ。ブレイ・グラム・メティオスト・バイト。振りそそげ。グラドガノン。この呪文であとは体が勝手に動きます。覚えましたか? 》
『なんとか。聞きたい事があるんだけどいいか? 』
《なんですか? 》
『ワタルはいつ進化できるの? 』
と聞いた。
《それは私達にもわかりませんあなたの弟がもっと力がほしいと思った時に発動するはずです。現に貴方もそうでしたから》
と答えてくれたので、サトシは
『そうか。また世話になる事何度かあるからよろしく』
とサトシが言うと、サトシはベッドに横たわっていた。
「あれここは」
と、サトシが言葉を発した瞬間全員が寄り集まってきた。
「サトシ大丈夫か」
と、ノリ。
「気分悪くないか」
と、ユウ。
「苦しくない? 」
と、ウララ。
「生きてるか? 」
と、タカが聞いたので全員が殴りかかった。
「縁起でもないこと言ってんじゃねえよ」
と、シン。
「そうだそうだ」
と、全員の大合唱が部屋に響いた。
「げんに俺は生きてるよ」
と、サトシが言って立ちあがったので全員が安堵した。
「トモヤこの家に地下室あったっけ? 」
と、自分の武器を取りながらサトシが聞いてきた。
「えっ。ある事にはあるけど。それがどうかしたのか? 」
と、言った瞬間。
「どこだ? 」
と、サトシが詰め寄ってきた。
「こっちだ」
と、サトシの気迫を恐れて、トモヤが地下室に案内をした。
「俺が出てくるまで誰も入れるなよ。じゃあよろしく」
と、一言残して、サトシは暗い闇の中に消えていった。
「……。どう思う? 」
と、疑問を皆に投げかけるトモヤ。
「今まで倒れてたのにいきなり元気になったってこと? 」
と、デモンが答える。
「そうそう」
と、トモヤが頷く。
「この傭兵団はこれからどうなるのかな」
と、ノリが問う。
「まあ。なんとかなるんじゃないか」
と、ユウが自身有りげに答えたその時。
突然地面が揺れ始めた。
「うああー」
と、全員が悲鳴を上げ、地面に倒れこんだ。
その瞬間。火が掻き消え辺りが真っ暗にっなった。
「何なんだ一体。ギャー」
と、マサが悲鳴を上げ、そのまま声が途切れた。
「マサ。おいマサ」
と、ユウが呼んだが、その声は虚しく闇の中に消えていった。
「ジュン。火を出せ小さくていい」
と言った瞬間。ジュンは魔法を発動させた。
「こりゃひどいな。おいマサ大丈夫か? 」
と、ノリが辺りを見て言った。机はひっくり返り窓ガラスは割れ、置物は辺りに飛び散っていたからである。
そしてマサの悲鳴は、何かにぶつかって気絶していたからだった。
「サトシは無事かな」
と、心配そうにいうユウ。
「サトシの事だから大丈夫だろう。地下には何にも置いてないし」
と、平気で言うトモヤ。
なぜ地震が起こったのか。原因はサトシにあった
地下に降り立ったサトシは、
「よし。早速やるか」
と、言ってサトシは剣を構えると、
「カオス・メルギス・アビアスト・デビルクト。出でよ。ポイズンスラッシャー」
と言い放ち、薄暗い闇の中を掛け回り、ポイズンスラッシャーを、辺り構わず放ち始めた。ドガンドガンと、壁にでもぶつかったような音が辺りに木霊した。
「これくらいかな。よしあの技を試してみるか。大いなる自然の力を司る火の精霊よ。我の声に従いその力を解放せよ。ブレイ・グラム・メティオスト・バイト。振りそそげ。グラドガノン」
と、サトシが唱えた瞬間。サトシは周りの空気が上昇している事に気付いた。そしてまた剣が勝手に動き、頭上に剣を持っていくと、いきなり火球が連続的に降り注いで来た。
「嘘だろうー」
と、叫びながらサトシが技を解除したときには既に遅く、物凄い地鳴りがし、サトシの吹き飛ばされた。
「くっ。ぐあっ」
と、叫び。サトシ壁に叩き付けられた。
「まさかこんなに強力だとはな」
と、辺りを見渡し口元についた血を拭いながら言った。地面に穴は空き、あっちこっちから火が出ていた。
「こんなに強力な物を出せる指輪か」
と、言いながらサトシは立ち上がり指輪を見つめ、
『これも運命か』

まさかこんな事になるとは……。
「何でこんな事してなくちゃならないんだろう」
と、ため息をつきながら仕事をするタカ。
「ぐだぐだ言ってないで仕事しなさいよ」
と、何にもしてないのに命令しているウララ。
「ウララ。仕事しようぜ」
と、仲間を誘うシン。
「なによ女の子に力仕事をさせるき?骨が折れちゃうわよ」
と、文句を言うウララ。
「人間それくらいじゃ骨は折れないよ」
と、ノリが呆れて答えた。
「ぐだぐだ言わないの女の子は楽をしなきゃ。さあ皆は働いて」
と、ちょっと怖い笑顔を見せたウララ。
ここはデュランのトモヤの家。トモヤ達は知らないが、サトシの魔法によって起きた地震で、散らかった部屋を片付けていた。
そのころ地下のサトシは、まだ修行を続けていた。
もう既に魔法は5個使えるようになっていた。
そして、疲れもそろそろピークにさし掛かっていた時。
「はあはあ。これくらいでいいかな。そろそろ地上に戻るとするか」
と言い、サトシは梯子に手を掛け、地上に舞い戻った。
「ええーと。この状況はなに? 」
と、サトシは扉を開いた瞬間、疑問を口にした。全員がせっせと働いて部屋を綺麗にしているなか、1人だけ優雅に椅子に座ってくつろぎながら、あれをやれこれをやれと、命令をしているウララ。
『本当に人遣いが荒いな』
と、サトシは思った。
「サトシがでてきたぞ」
と、1番早く見つけたデモンが言った。
「どうだった? 」
と、部屋の感想を聞くトモヤ。
「まあ結構広かったよ」
と、答えるサトシ。
「それよりなんだこの有り様は」
と、辺りを見渡してサトシが言った。全員が(約1名を除いて)しっかり働いていたので、最初よりひどくはないが、机は引っ繰り返っているし、椅子なども(これも1個を除いて)全て散らかっていた。
「手伝ったほうがよさそうだな」
と、サトシは言い、手伝いを始めた。
そして、サトシが手伝いを始めたその時、
「たっ、大変だ」
と、慌てた様子で、シクラが飛びこんできた。
「どうしたそんなに慌てて。落ち着けよ」
と、アジラがなだめる。
「そんな、ゼイゼイ、場合じゃないって。ゼイゼイ、隊長は? 」
と、聞いてきたので、サトシ自身が答えた。
「もうでてきてるよ」
と、言った瞬間。シクラが詰め寄ってきて、
「全員集めてください。重大な、ゼイゼイ、報告、ゼイゼイ、が」
と、言ったので、
「しょうがないな。全員食堂に集まれ大至急だ」
と、指示を出した。
全員が食堂に集まったのを見て、シクラが話し始めた。
「今からお話する事は噂だったので本当かどうかはわかりません。では、皆さんカルド国はご存知ですよね? 」
と、質問をしてきたので、全員頷いた。
「その国の軍の中に特別機動部隊というのがあるのを知っていますか? 」
と、別の質問。この質問はサトシしかわからなかった。
「これについては俺のほうから説明するかシクラ変わってくれ」
と、言ってサトシが中央にきた。
「特別起動部隊。要するに特殊訓練を受けていて、いつどんなときでもすぐに対応できるようになっている集団だったはずだ。じゃあシクラ交代」
と、サトシが解説した。
「隊長からあったように確かにその通り。それで本題の方なんだが……、その部隊が国を裏切ったそうだ」
と、シクラがまじめな顔で言った。
「なに! 」
と、驚いているサトシ。
「嘘だろう」
と、動揺しているデモン。
その他の人達の会話は、同じような内容。
「まあ取り合えずこっちのデュランには被害はないから安心しよう」
と、サトシが明るく言ったが、シクラが首を縦に振らなかった。
「何があるていうんだよ」
と、サトシが不満げに聞いた。
「まもなくこの国王や各国の王の耳にもこの情報が届くでしょう。それをを聞いた各国の王が勢いに乗ったその特殊部隊が来ないうちにカルド国を攻め落とすと俺は考えます」
と、シクラがノンアクセントで言った。
「それだけ長い言葉をノンアクセントで言えるほうが俺はすごいと思うよ」
と、ノリが驚きの表情で言った。
「まあいいだろう。この戦いに参戦するか否か決議したいと思う」
と、サトシが言った瞬間。全員が同じことを言った。
「ここはやるっきゃないでしょう」
と、満面の笑みを浮かべた。
『やれやれ。しょうがないか』
と、サトシは思ったが、
「まあいい。そのうち命令が来るだろう。それまでこの家の最終点検でもするぞ。戦いのことを考えるのは後だ。全員さっきの持ち場に戻れ。シクラはまた情報集めに走ってくれ。情報集めるの上手いから。頼んだ」
と、サトシが言ったので全員しぶしぶ各持ち場に戻って行った。シクラも軽く頷いて、町のほうにまた走っていった。
しかし、全員が持ち場に戻ってから30分も経たない内に、またシクラが戻ってきた。
「今度は少ない情報ですがまあ役に立つでしょう。機動部隊隊長の名前はハイド。国王からの信頼も厚かったようです。この軍の隊長を既に15年近くやっている凄腕の軍人です」
と、言ってシクラが顔を上げると、
「あれっ、どうしたんですか隊長気分でも悪いんですか?」
と、心配そうにサトシの顔を除きこんできた。
「えっ?いっ、いや何でもない。すまん続けてくれ」
と、サトシは慌てながら答えた。半分心配しながらもシクラは、話を続けた。
「国王のほうはいまだ生きているかはわかっておりません。現在これは保留扱いでいいでしょう。その他詳細はそろそろ王は集め始めますよ。傭兵の力を」
と、シクラは力んで言った。
「来たぞ。俺達の力を存分に発揮するところが。全員生き残れよ」
と、サトシが言った瞬間。全員、
「おおー」
と、やる気まんまんだった。
しかし、サトシの心には重いなにかが圧し掛かっていた。
『あいつがこんな事をするとわな。まさかこんな事になるとは』

   講評   kira

 10人隊隊長くん、こんにちは。病気を抱えるようになったサトシは、うまくそれと付き合っていけるようにもなってきたんだね。今回は、後半に大きな動きがありますね。「機動部隊隊長の名前はハイド。」この人物。サトシとは因縁のある人なのかな。単なる裏切り行為ではないのかもしれないね。
 弟の覚醒も待たれますね。

今回は入力ミスのチェック

「こんなに重い病気に掛かってる」→「罹っている」
「自身有りげに」→「自信」

それと「  」のなかの文末にも「。」をつけましょうね。途中はあるんだけど、一番最後が省略されているようです。

 まだまだ残暑がつづきますが、もうじき一番いい季節がやってきます。筆もすすみそうですね。


    

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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