国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   バレエ、初公演!   オーロラ

 「おはようございます。」(書き出しの工夫)
「おはよう。」
 今日は、九月十八日。私のバレエの公演の日です。発表会じゃなくて、公演なのでとても緊張します。この日見に来てくれる予定の人達は、お母さん、お父さん、おばあちゃん二人、おばさん、奈良崎先生、同じ支部の子達です。お客様がわざわざお金を払って見に来てくれるので、お客様に喜んで帰ってもらえるように……と考えると、とても興奮してしまいます。朝、九時楽屋集合、夜十時半解散なので、十三時間半楽屋生活です。夕方六時開演なのに、朝、十時ごろには、もうメイクをしていました。メイクが途中なのに、先生が
「バーレッスンをしますよぉーー。」
と言ったので、私たちは
「えーー、このままぁーー?!」
と、驚いてしまいました。なぜかというと、このままではまるで、おばけの状態なのです。(笑)バーレッスンが終わったらまたメイクです。メイクが終わって鏡をみたらうわっ! やっぱり怪物の私が目の前にいます。
 それから舞台稽古をして先生方の「シンデレラ」の練習を見てからお昼ごはんになりました。そのあと私が、衣装姿で楽屋のテレビのモニターを見ているとお客様が、どんどん集まって来ました。(もうすぐだ……)という気持ちでいっぱいになりました。
 いよいよ本番です。私は、心配することが二つあります。一つは、衣装の背中にさしてある旗がちゃんととれるかということ。もう一つは、私達はかなり高い台の上で踊るのですが、その台から落ちないか、ということです。そういうことを考えているうちにもう本番の時間になってしまいました。                  
 幕が開いたらいきなり盛大な拍手が聞こえました。私は、(なんで拍手がおこるんだろう?)と思っていました。たぶん、ほとんどの人が私達のお母さんやお友達だったのだと思いました。そんなことを考えていたら一回ふらついてしまいました。ジャンプするときに台から落ちないかとても不安でした。練習では後ろの台にぶつかったけど、本番ではぶつからないですみました。でもやはりとても怖かったです。最後のポーズをすると−
 パチパチパチ×100!
曲がまだ終わっていないのに、とてつもない拍手がおこりました。それから幕の外でおじぎをしてから楽屋に戻りました。
 次の私たちの出番はほんの少しで、一分間もありません。だから精一杯踊りました。舞台はさっきよりさらに暑くて、まぶしくて大変でした。
 最後の出番はラストシーンの波です。ここは、船が出るので逃げながら踊らなければなりません。それに声も出します。私は、声を出している時に思わずあくびをしてしまいました。(笑)でも最後には、またまた曲が全然終わっていないのに、ものすごい拍手を浴びることができました。カーテンコール(おじぎ)のときに、次の日に公演をやる友達が大声で二階から
「ブ・ラ・ボーーーー!!!」
と言ってくれました。でもそのときには、私たちはだれが言っているのかわからなくて、おじぎをしながらとなりにいた友達と
「だれが言っているんだろうね。」
「うちたちの支部の人たちだったらはずかしいね。」
などとしゃべってしまいました。帰りは車で帰ったので車の中で寝てしまいました。
 私は、初めての公演で、お客様に喜んでもらえるようにするには、大変な努力が必要だ、とわかりました。疲れたけれど、バレエの一番の思い出になりました。十二月にも公演があるのでがんばりたいと心の中で思いました。

   講評   nara

 舞台に立つことはもちろん初めてではないけれど、今回は有料の公演。オーロラちゃんは小学生だけれど、「小さなプロ」として舞台に上がったわけだね。それだけ、意気ごみも緊張も感動も大きかっただろうな。すてきな舞台だったよ。先生には、オーロラちゃんにだけ他の人よりも明るいスポットライトが当たっているように見えたよ。心に残る舞台になったね。
 この作文を読むと、初公演ということで気持ちがたかぶっている反面、周りの様子を分析(ぶんせき)する冷静さもあることがわかる。有料公演は初めてだけれど、今までの発表会でつちかってきたことがたくさんあるから落ち着いていられたのだろうね。大きな拍手・ブラボーのかけ声をしっかり受け止められている。舞台に立つ小さなバレリーナたちにとってだけでなく、応援してくれている人たちにとっても、「初めての有料公演」なのだから、拍手の大きさはどの演目よりも『バレエ・キッズ・ドリーム』が大きかったのではないかな。(もちろん、2回目の舞台という人もいたけれどね。)
 ラストシーンは、ふだんの生活の中でも眠くなるような時間だったね。声を出す場面であくびをしたという話がおもしろい。朝早くからずっと会場にいて、レッスンも舞台げいこも本番もあって、そして迎えたラストシーンだからね。それにしても、こういうドキドキの場面であくびが出るというのもおもしろい。冷静なだけでなく、肝(きも)がすわっている面もあるのだなぁ。これは、きっと舞台向きの性格だと思うよ。
 オーディションを受けるまで、受かってから本番まで、ハードな練習を重ねてきたから、舞台が終わったら気が抜けてしまったでしょ。車の中では、すっと眠りに入りこんだのではないかな。お疲れ様。そして、すてきな舞台をありがとう。
 一分足らずの舞台の説明に、「舞台はさっきよりさらに暑くて、まぶしくて大変」とあるね。「さっきよりさらに」という部分とのつながりを考えると、「さっき」つまり『バレエ・キッズ・ドリーム』の場面での舞台の暑さやまぶしさも説明してあるといいな。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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