創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   自己家畜化   うさぴょん

 現在私たちは自分で自分を飼育している、つまり自己家畜化をしているという話がある。自分を飼育することは良いのか、悪いのか。私は悪いと思う。
 悪いと思う理由の第一は「自分の思考能力が低下する」からである。自分を家畜化するということは、社会では「長いものには巻かれろ」というような状態になるのではないだろうか。それでは、限られた人に権力が集まってしまう。例えば、最近問題になっている役人の天下り、これもそうではないだろうか。
「とりあえず、言うことを聞いてお金を渡しておけばいい。」
と考えている人もいるのではないだろうか。
 第二の理由は「自己家畜化されていることを知ったときの反動が大きい」と予想するからである。いつ・どこで・どのように自分が社会に家畜化されることを気づくのだろう。あるいは気づいていながらも気づいていないふりをするのだろうか。決まった日時はないのだと思う。本当にちょっとしたこと(例えば一人物思いにふけるときなど)なのだろう。気づいていても大部分の人間は自分が自己家畜化・自己ペット化していると思うことを拒否するはずだろう。自分で自分をおとしめることなど本意ではないのだから。しかし、不本意ながらも世間の目に流されていることは認めなければならないと思う。例えば、最近ニュースで「指示待ち症候群」という単語を耳に挟んだ。これは、幼い頃から命令されて育った子供が、大きくなってからも指示されなければ動けないというもので、一種の病気のように比喩されている。大人が甘やかした結果がこれなのだろうか。また、学生であれば校則、社会人であれば法律や世間の目、世論にさらされることになる。これらは、私たちが自由にならないための巧妙に隠されている透明の鎖だと思う。このことを自ら認めたとき、今まで自分のしてきたことを愕然と振り返り、一波乱起きるのではないだろうか。さらに言えば、自己家畜化は先入観にもつながっていると思う。会社を例にとってみれば、下の方の社員は何も分からずただ惑わされて、幹部らは賄賂を取引しているなどと(笑)思うことはないだろうか。そして、不祥事が起こると「やっぱり」と考えることが。私も、そういう先入観があることは否めない。社長などの幹部が不祥事を起こせば「信頼できない、やっぱり」などと思うだろうが、普通の社員が起こせば「何かのミスだったのだろうか」などと考える。そういう先入観と自己家畜化—どちらかというと自己ペット化はつながっているのだと思う。また、ミスだと人から思われるということは他人から甘く見られている・さほど能力が無いと見られているというこという意味を含んでいるようにも見える。
 ただ「今までのような統率が取れない」とバランスが取れなくなって社会が崩壊することを危惧する方もいるだろう。けれども、私はまるで息を殺すように自分を殺すこと(無意識にでも)でまとまっているというのは、良くないことだと思うのだ。やはり自分で考えて自分の責任で行動しなければならないと思う。それはとても大変なことだがそれが本来人間のあるべき姿だと考えている。もしもこの状態を維持していたら、本当に「自分で判断する」という本能が無くなってしまうのではないだろうか。長い年月をかけて頂点が一人しかいなくなってしまえば独裁政治への幕開けだ。また「身勝手な意見が出る」と感じる人もいるだろう。そこが肝心な問題で、自分で考えた結果に「戦争をしたい」などと言い出して、それに賛同する人が多く出てきたらどうなるのか。自分で考えた結果で、責任がいくら自分にあるといっても、戦争とは必ず無実の人を巻き込むものであると私は思う。これは極端すぎる例かもしれないが。だから、いくら「自分で考えて自分で行動する」としても、やはりある程度の良識ある世間の目と法律は欲しいのである。
 以上の理由により、自己家畜化はいけないと考える。

   講評   nara


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