創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   学問の行方   ルフィ

 学問は、どこへ向かっているのだろうか。
 この間、新聞を読んでいると、最新のナノテクノロジーについての解説が出ていた。なかなかわかりやすい記事で、ほうほうと頷きながら読むことができた。だが、同時に「いったいこれが何の役に立つのか」については、まったく分からなかった。最近の学問には、この傾向が強い。読んだり、聞いたりしているうちは確かにその技術はすごい!すばらしい!と感じるのに、その用途を問うた瞬間、答えに窮したり、的外れなものだったりとその輝きが失われてしまうのだ。一昔前は、こうではなかった。学問は、人の暮らしをよりよくしようと、純粋に人間の幸福を考えたものであった。それが今では、先のような有様である。だからこそ、私はもう一度問おう。学問はどこへ向かっているのだろうか。これは、現代社会が抱える問題の一つでもある。
 そこで、私はなぜ学問の意義が見失われつつあるのか、その原因を考えてみた。すると、まず大学のレジャーランド化が私の脳裏に浮かび上がった。今、「夢のキャンパスライフ」「社会人になる前最後の猶予期間」といった言葉に代表されるよう、大学の本来の目的を見失った学生が増えている。先日、私の通っている学校(地元では進学校として通っている)で卒業生講演会が開かれた。その席上で、ほとんどのOB、OGの方は「大学は、何でもできるので楽しいです」といっていた。それは、無論自分の好きな学問を極められるから楽しいという方もいたが、中にはサークル活動の話ばかりする人もいた。補足ではあるが、出席者は一応進学校が主催していることもあり、有名大学に通っていられる方ばかりである。そのようなところでも、大学に「サークル活動をしに」通っているのである。改めて言うまでもないが、大学とは学問を修めるところである。しかし、現代の大学生及び受験生には、この意識が著しく欠如しているように思える。
 また、私たちは学問を細分化しすぎた。顕著な例が医学である。最近は、体調が悪くなったとき、まずそれは内科に行くべきか、外科に行くべきか、それとも小児科に行くべきかを考えなくてはならない。さらに、それが風邪なら鼻風邪なのか、のどが痛いのか、熱が出ているのかを考え、それらを統合した上で自身が行く病院を決めなくてはならない。聞いていると、この過程だけで熱が悪化しそうだが(笑)とにかく、現代医療の実態は診断を自身で行い、病院には治療のみをしてもらいにいっているということになる。果たして、病人が、自分の体に鞭打って診断することが、人間の幸せなのだろうか。何度も繰り返すが、私は問いたい。
 しかし、理想論ばかり言えないのも事実ではある。確かに企業等と連携をとらなければ、研究資金が得られないし、そのために研究内容は制限または誘導されるだろう。だが、「学問をするのは金でも施設でもない。より多くを学び、よりよくあろうと願う人間の心である。」ようにそれによって左右されるようでは、真の学問とはいえない。学問はどこへ向かっているのか。その問いに胸張って答えられる日が、いつか必ずやってこなくてはならないのだ。

   講評   kira


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