国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   大地を守る風   ウサリン

 わたしの家には『JSTV』という日本語の番組を見ることが出来る、会員に入っている。JSTVでは毎週木曜日の8時から、『探検ロマン 世界遺産』という、世界各地の貴重な世界遺産を紹介している番組だ。フランスのモンサンミッシェル、ギリシャのアクロポリスなど……、様々な世界遺産をわかりやすく紹介している。私は、9月の終わり頃に10月のテレビプログラムを見ていると……、なんと、そこには「10/10 大地を守る風〜オランダ キンデルダイクの風車群」と書かれていた。私は、それを見ようと楽しみにしていた。
その、楽しみにしていた、キンデルダイクについてやっている番組が昨日あった。 さて、簡単にその番組を説明しよう。キンデルダイクはライン川の河口域にある。オランダ語ではKindeldaijkと書く。風車は、18世紀半ば、日本でいうと江戸時代に建てられた。風車は、ピーナッツオイルなどの食べ物を作ったりするのもあるし、水をくみ上げたりするための物だ。キンデルダイクの風車たちは、オランダが水没しないために作られたものだ。その、風車はなんと1分間で水を75000㍑もかきだれるそうだ。このような風車を立てたのは water chap ワーターカップという水の委員会が建てた。この委員会のメンバーは選挙のようなもので決めた。これは、世界で初めて民主主義を実現した組織だ。この人たちが風車を建てたことで、水害の被害が激減したそうだ。
 風車に住み、風車を操る人のことを『風車守り』という。その人は、風をよむことができるそうだ。これで、羽にはる布の形を考え、一番よくまわるやり方を考えているそうだ。
1602年、オランダの黄金時代が始まった。長崎の出島などの国と貿易を始めたからだ。木の板などを輸出していたそうだ。その板はなんと、風車で作られているそうだ。その風車は17世紀の時に建てられ、今もそのままの姿で動いている。
しかし19世紀、産業革命で風車がどんどん取り壊され、電力が使われるようになった。
1940年、第二次世界大戦中、ドイツがオランダに侵入。色々害を受けてたまらなくなったオランダは降伏した。そして、以下5年間はドイツ軍にすべての燃料を没収されてしまった。それまでは、電力に頼っていた。しかし、その電力が使えなくなってしまい、オランダはもう水没するかも……と言われていたそうだ。その時、使っていなかった風車が大活躍したのだ!それで、人々は風車を大切にするようになった。          という話だ。
 私はその番組を見て思ったことがある。
 1つ目は風車守りが風をよめるということ。その、テレビに映っていた人はオランダの変わりやすい気候に対して、「一日の間に四季がある」、と言っていたそうだ。 
 2つ目は、1分間に水が75000㍑も、書き出すことができると言うこと。このような技術があるから、今のオランダがあるのかと、感心した。
 3つ目は、オランダと国際貿易について。オランダは飛行機でも12時間、とにかくものすごく時間がかかる日本と貿易をしていてすごい技術だと思った。
 4つ目は、風車の大切さについて。風車があったから今のオランダがある。オランダにとって風車というのは、かけがいのない存在なんだなととても感心した。
 今度、風車を見に行った時は、このような長い歴史があった、ということを思い出しながら、見たいと思った。


 

   講評   yuu



 かなちゃん、こんにちは。講評が遅くなり失礼しました。学級新聞の作文(笑)の締め切りに追われたりしていたら、どんどん日数が過ぎてしまいました。というのも、本当に言い訳ですね。すみませんでした。ゆうこ先生はとっても元気です。ご心配ないように・・・・・・。

 一段落では、JSTVの説明(紹介)と、10月のプログラムに発見した、楽しみな放送の説明文が主になっていますね。これは本当にとてもよくまとまっていますね。句読点の配分も、読み手に心地よく、書くときによく配慮されたのだろうと思わせる美文揃いだと感じました。とてもお上手です!

 さて、二段落からは、直接的にテレビの放映内容に触れています。事実を並べて書くことに苦心してくれたことと思います。そのままテレビの実況中継のように書くと、どうしてもダラダラ感が出てしまうものです。ここでは、長文の要約のお勉強でしてきたことが活躍しそう。長い物語の中から、主題を決めて、『大事なところだけを抜粋して、つなげて書く』という技でしたね。かなちゃんは、主題の見極め(みきわめ)は確かな力を持っていますので、あとはいかようにして、文をつなげていくかが課題だと思います。決して、今の作文の「直すところ」を指摘しているのではなく、今後、引き続き練習を続けてお勉強していく課題であるという意味です。

 1602年〜から始まる段落は、まさに起承転結の「転」に相当(そうとう)するところと思われます。ここで、ガラッと話の方向性が変化しています。話題転換という言葉なら聞いたことがあるかもしれませんね。
 話題を変えるのは、なかなか難しいものです。よく話題転換に便利な接続詞として「さて」や「ところで」などがつかわれていますが、これも『使い方』が大事ですね。せっかくお話が盛り上がっているのに、「さて」と、全く違う話が始まると、書いていても勢いがダウンしてしまいますし、読み手も同じく好奇心が損なわれるおそれもあるわけです。このような意味では、率直に、飾らずに、「1602年、……」と直球で勝負してくれたのは正解です。

 風車の存在には、文化とも密接なつながりがあり、またそこで生活する人々の生活習慣とも深い関係があったのですね。伝承される文化には、必ず古人の知恵の結晶があるのかと思います。この風習を大事に守り続けていきたいですね。
 今度、かなちゃんが風車を見るときは、今まで以上に知識に裏づけされた実感を得ることでしょうね。ゆうこ先生も、いつか風車を目の前にしたとき、かなちゃんの作文を思い出し、感慨深く歴史と、かなちゃんの作文を、いっしょに思い出すような気がしますよ。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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