創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   子どものころ、わたしは(感)   ベッキー

 ことばの生活には、ときどき、言いにくいことばがあらわれて、わたしたちのことばを、小さくしたり、ごにょごにょ言わせたりする。
一般に、「ください。」とか「おねがいいたします。」とかいう依頼のことばや、「すみません。」とか「ゆるしてください。」とかいうようなわびのことばも、言いにくいものである。そういう真実になってものを言うとき、そのことばはよく相手に通じるだけでなく、ことばのひびきもすがたもすっきりしてくるのである。
 例えば、友達と三時半から待ち合わせをしようとやくそくしたのに、四時になってやっと友達が来た時、友達が、
「あのね。お母さんに買い物を頼まれて買い物のレジがすっかり混んでいてやっと終わったところなの。それで遅くなったの。ごめんね。」
 と言われた時、私だったらもうその人と約束をしないだろう。それにその言い方は何?と思うだろう。なぜかというと、言い訳を先に言っているからだ。
 去年の話だ。私は、吹奏楽をやっていてフルートを持ってかえった時、その次の日にフルートを忘れたことがある。その時、先生に、忘れました。と言うのはとても辛かった。学校のすぐ入り口のところで気付いた。その時、(どうしようか。家にフルートを取りに戻ろうか。でも朝の練習遅刻しちゃうし、そのまま学校へ行ったら先生に忘れましたと言わなきゃいけないし。)と私は悩みに悩んでとうとうそのまま学校へ行った。そして先生に堂々と「フルートを忘れました。」
 と言った。すると先生は、
「それじゃあ向こうに余っている楽器を使ってください。」
と言われた。今年は、新しい部員も入ってきて、余っている楽器がないので、もう私は楽器を忘れないだろう。もし忘れたとしても、家に取りに行っただろう。まるで勇気を出すのが辛いようだ。
 ずっと前、友達に大事な本を貸して、ずっと本が戻ってこないのでおかしいなあ。と思っていたら、友達のお母さんが、
「ごめんなさい。弟が本を壊してしまったので買っておきました。本当にすみません。」
 と言われた。そして、私の本が帰ってきた。もしも友達のお母さんが黙って新しい本を返したら私は何か嫌な感じがしただろう。友達のお母さんは勇気出して言っただろう。勇気を出すということはとてもいいことだとわかった。

   講評   nara

 要約に、どうして依頼の言葉やわびの言葉は言いにくいのか、その理由を述べている部分を入れておくとよかったね。「自己否定」という言葉に注意するといい。
 人は自己否定の言葉を口にしたがらない……そのことをベッキーちゃんの身の回りからたくさん探せたね。いや、実はこういうことはたくさんありすぎるのかもしれない。だからこそ、人はいやな思いもするし、反対に、スパッとあやまったりあやまられたりすると、すがすがしい気分になれるのだなぁ。
 友達との約束の話は、短いけれどわかりやすくまとめられた。「なぜかというと」という説明が的確だからわかりやすいのだね。忘れ物の話も、気持ちがよくわかる。怒られるかな・しらんぷりしようかな……と思い悩んでいるときには、体も心もズーンと重くなったような感じだね。しかし、「案ずるより生むが易し」ということわざのとおり、あれこれ悩むよりも、思い切ってやってみると、意外にあっさりと物事が進むことも多いのだろうな。
 大事な本の話は、忘れ物の話とは反対に「あやまられた」話だね。大事な本が返ってこなかった・新しい本を買って返されたということは、そのこと自体はむっとしてしまいそうな、いやなことだ。だけれども、そのいやなことを少しでも和らげたのは、「ごめんなさい」の一言だったのだね。「あやまったこと」「あやまられたこと」と立場をかえて具体例を挙げたことで、意見がぐっと深まったと思うよ。
 自己否定の言葉を口にするのは、勇気がいるけれど、その勇気を持っている人だからこそ、より成長できるのだね。

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