低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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他人との関わり ミュウ
人間は皆、決して一人ではない。周囲の人々に支えられて生きている。お馴染みの金八先生のセリフに、「人という字は、人と人が支えあってできている。」という言葉がある。まさにその通りだ。家族や友人がいることで、毎日の生活が楽しくなる。他人との関係が大切なのだ。この関係はなくてはならないもので、誰もが持っている。根本で繋がっているのだ。また、他人と関係を持つと、自分の存在が明らかになり、周りの人から理解される。このことによって、何かの拍子に改めて孤独になったときにその寂しさを感じるのだ。
「孤独でも平気」という人は、それまでの他人との関係が浅く、薄いのだろう。しかし、一人というのは自由でもなく、気楽でもなく、周りに誰もいないという不安が募る一方だろう。だから私達は、他人と共感を持たなければならない。
そのための第一の方法は、人と関わりを持つことだ。両親や兄弟姉妹、祖父母を始めとし、学校や塾などの友人や先生などなど、様々な人と関係を持てる。私も今までたくさんの交流をしてきた。幼稚園、小学校に進学するにつれ、接触する人も増加した。中でも中学校になってからが凄い。私の中学校には、小学校4校と、もう1校の一部からの生徒が集まっている。そのため、各学年が、膨大な数になるのだ。といっても、中学校生活はたったの3年間。1クラス39名のため、クラス単位だけでは、少数の人としか会話などができない。ところが、部活や生徒会活動に参加すると、どうだろう。同学年の人だけでなく、先輩や後輩と関係を持つことができる。私はこのことによって親友ができ、知り合いも増えた。以心伝心の関係に近づきつつある気がする。
第二の方法は、関わりをもってから一人でいてみることだ。人は誰も一人ではないと前述したが、少しの間だけ孤独を味わってみるのだ。かなり困難な課題だが、これができれば、他人と関わることの大切さが骨の髄まで染みるだろう。「くず」というグループの歌に「みんなひとりで生きてない!」という曲名の歌がある。その中に「君はもう ひとりなんかじゃない それは君が気づいていないだけだから 本当の 想い語れば きっと誰かが振り向いてくれる」という歌詞がある。
この詞から、誰かと話すだけでも、その人と関わることができるということが読み取れる。周囲を目を凝らして見渡せば、友人の意外な一面が見られたり、話したことのない人が多数いることに気づいたりする。そして、他人を思いやる心が誕生するのだ。
確かに、孤独にはなり難い。しかし、短時間でも良いから、一方的に自分だけが話すのでなく、他人の意見にも耳を傾ければ、素直になり、お互いに気持ちを分かち合える可能性がある。そう考えると、自己中心的な人物は幸福になれないかもしれない。他人を大切にしないということは、自分自身を大切にしていないということである。また、「私たちの幸福が、他の人々の不幸によって支えられているのであってはならない。」という名言がある。この言葉のように、他人を下敷きにするのではなく、互いに思いを共有し、尊重する必要がある。私も、他人ともっと関わっていきたい。
講評 nara
先週は、ねむねむ(笑)状態だったようだけれど、今回はスパッとまとめられたね。あの後、「衰弱したアイデンティティ……」は再読してみたかな? 考えてみると、ずいぶん難しい内容の長文を中1で読んでいたのだね。今回は、よくまとまっているのではないかな。
第1方法と第2方法とは正反対で、一見矛盾しているようでもあるけれど、「逆もまた真なり」ということかもね。第1方法はいわば量におぼれる中で、浮かび方を体得していくという作戦ということか。多くの事例(人)に当たれば当たるほど、その特異性だけでなく、共通する普遍性をも見つけ出せそうだね。「相手に対してどう行動するか」ということと、「人としてどう行動するか」ということとが、うまく組み合わせられると、人間関係もスムースに展開できそうだ。
第2方法は、「かなり困難な課題」と書いてあるように、レベルアップした方法だね。つまり、第1方法があるからこそ、その効果が認められるのだと思うよ。たくさんのものを知っているからこそ、「無」との対比もできるというもの。歌の引用もまずまず。
まとめは温かでいい。「他人を大切にしないということは……」というフレーズは、最後の「思いを共有し尊重する」というところにうまくつながっているね。
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