国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   効力感   シュシュ

 日本人なら誰もが知っている漫画、ドラえもん。主人公のびたと、未来からやってきた猫型ロボットのドラえもんを中心に、様々な秘密道具によってひきおこされるドタバタ劇を描いたものだが、この漫画には、欠かすことのできない大切な場所があると思う。それは空き地である。ドラム管が数本置かれている、あの空き地のことだ。のびたたちはとても頻繁にそこに集まり、そこで遊んでいた。しかし現代の日本の、特に都市部において、空き地が残っている所はほとんどないだろう。あったとしても立ち入り禁止となっていて、子供がそこで遊ぶことはできない。現代の子供たちは、たくさんのカラフルで便宜的な遊具が置かれた、公園で遊ぶものだ。空き地にはそのような遊具は無いから、自分たちで遊び方を考えて楽しむことができる。しかし、公園ではどうしても元からあるものに縛られがちになってしまい、のびのびとした想像力や、自ら向上しようとする効力感を養うが難しくなるのではないだろうか。私は、子供の頃からもっと、やる気や自信といった効力感を持たせる育て方をするべきだと思う。
 そのための方法は第一に、できたことをどんどんほめ、自分に自信をもたせるようにすることだ。ほめられることによって、まずそのほめられたことをするのが好きになり、そして自信がついてくる。例え初めはそれをするのが下手で嫌いだったとしても、ほめられると、もっと練習して上手くなろうという気になってしまうものが人間だ。高校一年になって、私は予備校で古文を習いだした。古文は私の最も嫌いな教科の一つであり、学校の授業もものすごく適当に受けていたのだが、私は受験で古文を使う予定なので、このままではいけないと思ってしょうがなく習いだしたのだ。はじめは少し憂鬱だったのだが、いつのまにか、授業をとても面白いと感じている自分がいたのだ。その原因で最も大きなものは、教えてくれる先生にあると思う。その先生は、説明をわかりやすいだけでなくとても面白くしてくれる。その上、少しのことでも正解するとほめてくれる。授業の雰囲気も学校とは全然異なり、この先生のおかげで古文に対して生まれて初めてやる気がでたのだ。そして今では、古文は得意科目の一つとなってしまった。まだ半年程度しか学んでいないが、こんなにも短い期間で古文嫌いがなおったのだから、どれだけその先生の教え方の影響が大きかったのかよくわかると思う。
 第二に、日本の減点主義の文化風土を改めることだ。日本では昔から、失敗する心配のない安定型の人生が良しとされてきた。年功序列なんて、その性質が顕著に表れた制度と言えるだろう。しかし、それではいつまでも新しい道を切り開くことができない。江戸時代の日本は、減点主義であったために、政治の中枢は実力に乏しい人によって占められていた。(歴史)明治維新はその古い体制を打破したために、多くの若者が活躍することができたのだ。
 確かに、自分の限界を知ることは、自分を守るためには欠かせないことだ。しかし、現在の日本の社会は、子供達にもっと効力感を持たせるよう努力するべきだ。子供とは本来、好奇心が旺盛でやる気や自信に満ち溢れた存在のはずだ。しかし、そんな子供たちの前向きな気持ちを萎えさせているのは、現在の日本にある社会の仕組みや習慣である。効力感とは、どこかで身に付けるものではなく、誰もが皆元からもっている力である。そんな力が、くだらない現代社会のやり方によって、消えてしまわないことを私は願う。

   講評   nane

 書き出しがなかなかいいね。子供たちが遊べる空き地というのは、今はほとんどないものね。そういう光景は、ドラえもんのアニメの中にしか残っていない。
 予備校の古文の例は具体的。しかも、こういう成功した前向きの明るい話は、文章に力を与える。こういう経験は、ほかの勉強でも必ず生きてくると思うよ。
 江戸時代の日本の例は、具体的な話を入れていくと面白い。そのために、福翁自伝と氷川清話を読んでおくといいよ。教室にあるからね。
 「効力感とは、どこかで身に付けるものではなく、誰もが皆元からもっている力である」は、名言になっている。この文は、しっかり覚えておくといいよ。「くだらない社会の……」の「くだらない」は、言葉自体にニュアンスがあるので、かえって説得力を失う。客観的に書こう。


毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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