創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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子どもの効力感 ともっち
子どもの生活の中には効力感を伸ばすのにかっこうの題材がたえず転がっている。子どもは技術の繰り返しによって進歩していき、内発的によりむずかしい課題に興味をもつようになる。その時に気をつけなければならないのが、親がこれにブレーキをかける役をしてしまいがちだということだ。もう一つ、子どもの生活の中には様々な熟達のお手本がある。子どもはこのお手本に中から自分に必要だと思うものを選びとっていく。だから親がお手本を押し付けようとしてもうまくいかないことが多い。私は子どもの効力感を大切にのばしていくべきだと思う。
そのための第一の方法は子どものやる気を認めてあげるということだ。せっかくやる気が出た子どもも、それを親に否定されてしまうと、次のやる気もわいてこない。私は幼稚園のときに北野天満宮のずいき祭りで八乙女をやった。八乙女はずいき祭りの行列を歩き、最後に本殿の前で八乙女の舞を踊るというものだった。そして私は小学校高学年になった頃、母に「何で八乙女さんやったの?」と聞いたことがある。すると母に「何言ってるの。朋美がやりたいって言ったのよ。」と言われた。母によると幼稚園に入る前、ずいき祭りを見に行ったときに、私は母に「あれ絶対やりたい!!」と言ったらしい。それを聞いた母がわざわざ神社まで頼みに行ってくれたので、私は3年間八乙女をすることができたのだ。このように子どものやる気を認めてあげるということは大切である。
第二の方法としては周囲が良いお手本を示してやるということだ。戦後の日本はアメリカの良いお手本があったからこそ、これほどの経済大国になることができた。(歴史実例)人はお手本があって、それが自分にもできそうなら、やってみようという気持ちになる。私は先日、知り合いの赤ちゃんと遊んでいた。するとその子は熱いお茶の入った湯飲みに興味を持ち、机の方に近づいて行った。私が近づいて止めようとすると、私の母はおもちゃを持ってきてその子の前で遊んで見せた。するとその子は今度はそのおもちゃに興味を持ち、机から離れていった。母がおもちゃの遊び方の手本を示したことで、その子は自分もやりたくなったのだ。このように手本を示すということは子どもの効力感をのばす上で大切である。
確かに全てにおいて子どものやりたいようにやらせるのは良くない。やってはいけないことや危険なことをやりそうな場合は、注意をする必要がある。「知恵は知識からではなく、経験から身につく」。従って子どもにたくさんの経験をさせるためにも、私は子どもの効力感を大切にのばしていくべきだと思う。
講評 huzi
先日テレビで「ずいき祭り」の様子を見ました。ともっちさんも、八乙女の役についたことがあったのですね。京都ならではですね。
効力感がテーマの長文でした。読んでいると、「ああ、そうだったのか」と、大人として反省すべき点も多かったのですが(笑)、ともっちさんは周囲の人に十分効力感を伸ばしてもらえたようですね。実体験にもとづいたよい意見を展開できています。
「やる気を認める」ことと、「周囲がよいお手本を示すこと」を、【方法】に選んだね。どちらも順当です。とくに、ちょっとした子どものサインを見逃さないで、よい方向に導いたお母さんの注意力は、すばらしい。子どもに対する細やかな愛情があるのですね。
【歴史実例】は、わずか一文ですが、意外に効果的なことに気付いたでしょう。ひとこと書くだけで、視野がぐんと広がった印象を与えられました。
「知恵は知識からではなく、経験から身につく」。経験が効力感と結びつくことを、ひとことで示した、みごとな【自作名言】です。
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しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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