国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   効力感の必要性   タクミコ

効力感は、これこそ自分のしたいことだと思える活動や達成を選び、そこでの自己向上が実感されて始めて得られるものである。また、親の関わり方は子供が次にやるべきことを指示したり、賞めたりしかったりといった形ではなく、むしろ子供の活動や自己向上が促進されるように環境条件をととのえてやるとともに、子供の内部にある知識や価値基準を明瞭化し、それが子供の行動を導くものになるのを助けるという形で行われるべきだろう。効力感は、ただ自分の努力によって好ましい変化をひきおこすことができた、というだけでは伸びていくものではない。親は子供のころから効力感を持たせる育て方をするべきである。
そのための第一の方法は、何事もおしつけずに、子供の自発的な意見を尊重することである。何事においても社会とは無関係に、個人にとっての合う・合わないがある。すなわち、社会が正しいとしているもの、子供にとって必要としているものが「子供」という呼び名に含まれるすべての人に合っているとは到底考えられない。実際、私は身近でそれを強く感じたことがある。私の友達の多くは小さい頃にピアノ、バレエ、水泳、書道などの数々の習い事、つまり、日本の社会でいうと女の子にとっては必要だとされているものを母の言いなりに従ってやっていたと言う。しかし、その中では「もう何も習い事はしていない」という人が大半である。それはその数々の習い事が例え自分に合わなかったとしても、厳しい親によって強制的に続けさせられたことによってますます嫌になっていったからではないだろうか。自主的に続けたいと思って取り組んできた習い事はいざ中学、高校に入って部活動で時間がなくなってしまって、習い事をやめるかどうかという選択をしなければならないときには、簡単にはやめられないはずである。それ故に、子供自身がやりたがることを楽しませるのが一番だと思う。
また、子供の頃から効力感を持たせる育て方をするための第二の方法は学歴尊重の社会を変えることである。最近新聞で「学歴については不問」という企業が増えつつあるという記事をたまに見かけるが、まだまだ日本人を含む多くの国の人々は学歴尊重社会に縛られて生きている。学歴はその人間の一部にすぎない。だから学歴だけではなく、人間性などの事を考慮に入れるべきだと考えられる。ギリシアの都市国家の一つであったアテネでは血統や富によって平民を圧倒している貴族が支配権を握る貴族政をペリクレスの時代に平民でも参加可能な民主制へと変えた。貴族政はその人間の一部しか見ていないという点では学歴尊重と同じようなものであるのではないだろうか。
確かに、自分の限界を知るということは大切だ。しかし、日本の社会はもっと効力感を持たせるような教育をするべきだと思う。自分への自信も持たずに自分に限界があることのみを知って、人生のどこが楽しいのであろうか。人間にはそれぞれに限界があるのは確かだが、すごく抽象的な言い方で言うと、その限界をどれだけ無限にすることができるかというのは個人の問題である。自分の可能性を充分に引き出すことのできる人間を育てていくという意味でも効力感を持たせるような教育は必要である。限界とは社会が作り出すものではなく、自分が作り出すものである。その意識をしっかりと持ちながら自分の可能性を最大限引き出せるよう、頑張ろうと思う。

   講評   hota

 中間テストはどうでしたか。「効力感」を得られる結果だったかな? ……少し遅くなりましたが、テストが終わって、ちゃんと作文の方にも取り組んだのですね。エライ。なかなかの力作が届きました。しかも、これで35分というのも驚きです。

 要約は、一部順序を入れ替えて、まとめてみたのですね。いいと思います。要約だけを読んでも、きちんと意味が通る文になっていますね。
 
 感想部分、「複数の方法」「体験実例」「歴史実例」「反対意見への理解」「自作名言」「当為の主題」これだけの盛りだくさんの内容が、無理なく、うまく流れの中で述べられています。特に、結びのまとめ方がいいですね。ここで、自作名言がとても生きています。

★子供には無限の可能性がある、親はそれを伸ばしてやろうと思うのですが、かえって駄目にしたり、子供の意欲をそいでいることもある。習い事を強制していた親達も、たぶん「子供の可能性を伸ばそう」と思っていたはずなんですが。親業は本当に難しいです。でも、こういうことを知っているのと知らないのとでは、きっと違いますね。タクミコさんは、心の隅に、メモしておいてくださいね。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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