創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   価値   こめ

 昔は、「尊皇攘夷」とか「鬼畜米英」とか「所得倍増」のようなすべての人が支持する大価値があった。しかし、現在はそのような価値が殆どなくなってしまった。だが、社会を貫く大きな価値がないことは問題である。
 その原因としては、第一に、共通に信仰するものがなくなってしまったことにある。昔は、人々は何か信仰するものがあった。例えば、中世のヨーロッパではキリスト教という価値観があって、それが社会を貫いていたし、日本でも仏教が社会を貫いていた時代があった。だからこそ社会はある程度のまとまりを保つことができた。しかし、現在、皆が信仰するようなものはなくなってしまった。そのため、共通の価値観がなくなり、その結果社会はまとまらなくなってきているように思われる。
 第二の原因としては、信仰するということが生活にそれほど関わらなくなったということがある。今は、信仰している宗教とはあまり関係なく生活している人も多いし、宗教のしきたりが絶対なるものであると考える人も減ってきた。それに比べて、昔は宗教に依存した生活をした人々が多い。だから、共通の価値観ができるのは当たり前のことなのだ。
 確かに、社会を貫く大きな価値というものは、無くても良いものなのかもしれない。しかし、共通の価値観は、宗教色が強いから現れるのではなく、社会が一体になるから現れるものなのだ。社会を一体にするために必要な、社会を貫く大きな価値がないことは問題である。

   講評   kamono

かつてあった「尊皇攘夷」とか「鬼畜米英」とか「所得倍増」のような、社会を貫く大きな価値が、なくなってしまったことが問題だ、という主題ですね。その原因として、共通に信仰するものがなくなってしまった。たしかに、そうですね。それを、宗教と結びつけるには、少し、説明の必要がありますね。<昔は、人々は何か信仰するものがあった。例えば、中世のヨーロッパではキリスト教という価値観があって、それが社会を貫いていたし、日本でも仏教が社会を貫いていた時代があった。だからこそ社会はある程度のまとまりを保つことができた。>その通りですね。<しかし、現在、皆が信仰するようなものはなくなってしまった。そのため、共通の価値観がなくなり、その結果、社会はまとまらなくなってきているように思われる。>ここも、いいですね。ただ、ここに、「希薄になった宗教を超える価値」、それが尊皇攘夷とか鬼畜米英とか所得倍増とか、なのですが、<皆が信仰するような宗教が希薄になり、それに代わるものもなく、社会はまとまらなくなった……>という、丁寧な記述になれば、申し分なかったですね。結び、<社会を貫く大きな価値というものは、無くても良いものなのかもしれない。>ではなくて、やはり、あってほしいですね。<社会を一体にするために必要な、社会を貫く大きな価値がないことは問題である。>のですから、それは、ヒューマニズムとか、素朴な倫理観・道徳観とか、そういうものこそ、いまの日本社会を貫く、大きな価値観としてあってほしい……などと、言えればよかったですね。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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