国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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会話の機能 えよさ
私達の会話には、内容伝達機能と交話機能の二つの要素がある。内容伝達機能とは、会話を通して情報を伝達するが、交話機能は、人と人の気持ちを結びつける機能を持っている。女性の会話と男性の会話は、脳の構造上、違うといわれている。女性の会話はいわば交話機能的であり、内容を重視するのではなく、会話という行為によって、交流を深めたり、慰められたりする。それとは反対に、男性の会話は、内容を重視し、会話によって答えを出したり、意見を交わし議論するなど、会話自体に意味がなければいけない。私達はこのような会話を、どのようにとらえていくべきなのだろうか。
私は「おしゃべり」が好きである。興味のある事柄についてなら、いくらでもしゃべれるだろうとも思う。仲の良い友達には、大体価値観が合い、気楽にしゃべれる子が多い。やはり私にとっての会話は、内容よりもコミュニケーションをはかり、気持ちを通わせる要素の方が大きいのだ。クラスメイトの中でも、あまり親しくない人とは、会話をするといっても、内容伝達機能だけに留まる。しかし、少ししゃべってみると、意外に話が合ったり、自分が思っていたのとは違う一面が見えたりする。このように、会話は交話機能というように、人と人の心をつなぐことができる、すばらしい機能である。
会話のもう一つの要素は、内容伝達機能である。私は先日、夏目漱石の「こころ」という本を読んだが、その中で交わされる主人公とその友人との会話は、とても印象的であった。主人公も友人もとても無口できまじめなタイプである。最初の頃、二人が交わす会話といえば必要最低限の会話であり、熱く語ることがあっても、それは学問の話などであった。私はこの二人の会話が、とても堅く窮屈なため、少し哀れなようにも感じられた。しかし、きまじめだった二人も恋をすることで、少しずつ穏やかになり、会話も窮屈なものから、人間的な親しみのあるものに変わっていった。この物語にあったように、会話は内容を伝えるだけでなく、他人と接していく中で、最も大切なコミュニケーション機能である。
確かに、会話の要素は、それぞれ二つとも重要である。しかし、一番大切なのは、どちらが重要であるかということではなく、それぞれの要素を融合し、より高度な会話ができることである。そうすれば、その会話は、私達の生活をより楽しく、また有意義なものにできるだろう。(総合化)会話は、会って話すものではなく、幸せを運ぶものである。(名言)
講評 nane
要約は、密度濃くまとめたね。
「私達はこのような会話を、どのようにとらえていくべきなのだろうか。」という問題提起だと、ちょっとあいまい。この段階で、もっと焦点を絞っていくといいよ。
体験実例は、具体的でわかりやすい。クラスの友達とのお喋りというのは、確かに喋っていることそのものが楽しいという面が強い。
「こころ」の実例は、いい話。テレビからの実例よりも、本からの実例は、より知的な印象になる。小説と言っても、ストーリーを生かすための会話が中心になるから、自然に伝達機能が優位になってくるのだろうね。
「それぞれの要素を融合し」という書き方は、折衷案のような印象を受ける。「より深い伝達をしていくためにも、より豊かな交話機能が必要なのである」のような感じで、総合化した感じがわかるようにしていくといいよ。
「会話は、会って話すものではなく、幸せを運ぶものである」は、ちょっと情緒的。いい線まで行っているので、もう一工夫してみよう。
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