創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   デジタルとアナログ   キリリ

デジタルは正確な情報をドライに表現する。アナログは全体の中での位置づけを情緒的に表現する。デジタルウォッチは、時刻の表示だけでなく情報処理をデジタルで行うウォッチへと進化している。アナログウォッチは、頭脳にデジタルな演算処理機能を持たせたウォッチへと進化している。人間の脳に右脳と左脳があるように、デジタルとアナログも共存共栄で発展していくだろう。僕は、デジタルとアナログの両方が使いこなせるような人間になりたいと思う。その方法は二つある。

まず、第一の方法は「アナログ的な考えができるようになる」ということだ。アナログ的な考えというのは、いわゆる「抽象的な表現」である。僕の学校ではテストの結果を偏差値や順位ではなく、二〇位ずつ区切られたランクであらわしている。たしかに偏差値が出てくるよりは自分の学年でのレベルをつかみやすい。また、比喩もアナログ的な考え(表現)である。僕が野球部のころ、野球の本を読んでいたら、腰が回しすぎず、肩を早く開きすぎない。腋を閉めて・・・などとかいてあった。しかし、先生がフォームをみてくれると、

「腰を回しすぎとるから、この腰のところに壁がある感じで振ってみ!あと、わきがひらいとるからタオルはさんで振っとる感じで・・・」

とたとえを使ったわかりやすい指導をしてくれた。たぶん先生の指導がなく、ほんのとおりにやっていたら、ロボットのようなガチガチのフォームになっていただろう。(笑)

 また、第二の方法として「デジタルな情報を活用する」ということだ。僕は今、野球部を引退して人数が足りない陸上部の駅伝メンバーとして練習しているが、陸上は「デジタルの世界」である。千分の一秒までタイムが出て、それで勝敗が決まる。僕のやっている長距離でも、一秒が明暗を分けるということもしばしばである。僕も前のレースでは最後にコンマ一秒の僅差で何とか勝った。また、伝記の例でいうと「長篠の合戦」がある。長篠の合戦というと織田信長が始めて鉄砲足軽隊を活躍させ、当時無敵といわれていた武田軍の騎馬軍団を破った戦いである。その戦いのどこがデジタルかというと、有名な信長の戦法である。信長はこの戦いで三〇〇〇挺の火縄銃を三段に分け、射撃と射撃の間隔を短くする、という戦法を使った。当時、火縄銃は射撃と射撃の間隔が三〇秒以上かかり、合戦での実用化はされていなかった。信長はこの三〇秒という時間をいかにして短縮するかをデジタル的に計算しての作戦だろう。もしかするとコンマ一秒まで計算していたかもしれない。(笑)

 確かに自分の得意なものを伸ばすという考えもよい。しかし、僕はアナログとデジタルの両方を兼ね備えた人間になりたい。「すべてに効くという薬は、何にも対して効かない」という言葉があるように、アナログかデジタルかどちらかを万能視するのではなく、両方を使いこなすことが大切だ。

   講評   kamo

 一見「生き方の主題」とはそぐわないように見える長文だったけれど、よくまとめたね。実例もおもしろかった。がんばったね。
 『構成』……複数の方法をうまく書いたね。今回は、「デジタルとアナログ」両方を生かすということだったので、それぞれ平等に良いところをかいていけばよかったよね。問題は、そのバランスと実例だったけれど、これもよかったです。
 『題材』……その実例。まず野球の実例はよく思いついたね。最近は、「スポーツ科学」も発達し、デジタル的な分析も可能になって、それはそれでいいことだけれど、やはり、微妙な体の動きや、それを支える考え方はデジタルでは計りきれないものがあるのだね。
 陸上は、確かに野球に比べたらかなりデジタルが入り込んでいる世界だね。それにしても、この時期にまだ陸上部の助っ人として活躍していたのだね。すごいです。
 信長の話は、ちょっと無理やりでも入れてくれてよかったです。^.^
 『表現』……名言の選び方も使い方もうまい! 確かに何かを万能視するのは危険なことが多いね。この言い方は、かなり使えると思います。
 『主題』……いい形でしっかりまとまっています。これからも、このように「使いこな」していってね。

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