国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   関係を築く   一休さん

   関係を築く
 一休さん 
 交話機能というのは、簡潔に説明すると言葉が備えている人と人の気持ちを結びつける作用のことを指す。私たちはただ言葉を発することそれ自体に、主たる目的がある。人間は見知らぬ他人と出会うと、必ず心中に様々気持ちが生まれる。その際に、経験する生物的な緊張をほぐし和らげる働きを担っているのが「あいさつ」である。また、雑談などの無駄話をすることによって、互いに一体感を高めるのである。交話機能は対話関係に入るための潤滑油としての役割がある。
 確かに、挨拶のような言語は人間関係を親しくさせることが出来る。人はこの「挨拶する」という行動が自然にできてしまう。朝、近所の人に会ったら、絶対どちらかが頭を下げ、「おはようございます」と言う。僕も両親からも学校でも「挨拶」について、とことん教えられた。小学校の校長先生は校門に立ち、しきりに児童に挨拶していた。さらに、児童たちの間にも「クリーン委員会」が発足し、多くの委員が学校をより良く改善するため、第一に「挨拶」を採用したのである。したがって、早朝から門から途絶えることなく「おはよう。」が聞こえていた。最近の出来事なのだが、中学校への通学路にある交番に警官が立ち生徒たちに挨拶を大声でしている。僕たちも、ついついあながちに驚いてしまい大声で挨拶を交わした。警察側からすれば、市民との距離を縮めたいことがこのキャンペーンの主旨であろうが、実際僕達は「お巡りさん」と親しくなった気分がした。このように、たった一言を交わしただけでも効果は抜群で人間関係が上手く成り立つようになる。
 しかし、会話のきっかけのための言葉だけでは充実した会話は成立せず、人間関係も成立しない。潤滑油ばかりを散らばしても汚染が進むだけのように、本質の機会の「ぜんまい」が錆び付いたまま動かないようでは、まるで意味が無い。政治家を例に挙げてみればよく分かるが、マニュフェストを掲げても、なかなか実行しない。選挙に当選するきっかけを与えるという目的だけの標語では意味を成さない。昔話の「こぶとりじいさん」からも読み取れるように、おじいさんが上手な踊りを鬼に見せつけたという理由があったからこそ、こぶが無くなったのだ。このように、きっかけがあって初めて内容の密度が濃くなるのである。
 潤滑油として働く言葉が「きっかけ」を生み「中身」を創造することは当然大事である。しかし、最も大切なのは潤滑油を使う人が正しく人間関係を築いていくことである。(総合化)潤滑油はきっかけに過ぎない。よって、それからの人間関係は自らで創るしかない。「始めることも大切だが、やり遂げることの方が、もっと大切である」という名言どおり、きっかけを創った以上、関係を築くという真の目的を見失うことはいけない。

   講評   miri

<第1段落>よく読みとってうまい導入部が書けましたね。
<第2段落>「あながちに」の用法はこれでいいかな? 
 説得力のある例が入りましたね。特におまわりさんの例は、犯罪抑止の効果も期待できそうですね。
<第3段落>機会→機械 最後のところは、この段落としてなら、「きっかけがあっても、内容がないと意味がないということだ」となるでしょう。こぶとりじいさんの踊りは、内容のほうになるわけですね。
<第4段落>まとめの部分はたいへんよくできています。名言もぴったりですね。
 

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