創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   子供の感覚   一休さん

   子供の感覚
 一休さん 
 フィンランドの保険担当機関がある調査を行った。健康管理を続けるAグループと、いかなる管理も実施しないBグループが15年間生活を営み、身体状態を比較してみるという実験である。結果、なぜかAグループのほうが多数の人が病気にかかってしまった。それは、治療上の過保護で身体の抵抗力が低下したことが原因と結論づけられている。Bグループの人達は、人類が本来備えていた「本能」を磨き、必死に独自のシールドで病気と健闘したのだ。これは、「子供」にも該当する。一人一人の子が動物としての感覚を持ち、それを磨きながら成長する必要がある。しかし、現代はそれを学習するのは至難の業である。
 確かに、過保護や管理は人間の生きる力を弱めてしまう。フィンランドの調べのAグループでは、「病気」という言葉を散々聞かされて管理されていた人達はどうしても、頭に「病気」が印象強く残ってしまう。意識しないうちに病気に細心の注意を向けたせいか、自然に病気になってしまうのである。僕も、あるきっかけで両親からPHSを受け取った。その頃、携帯電話を持っていた友達は極少数だった。当然、大変喜んでいた僕に気になる言葉が心を突いた。「これで、息子を見張ることができるわ。」当時、小学5年生だった僕は「管理」という単語が脳裏を横切った。そして、暫くして親の思惑は明らかとなり、僕の行動が管理されていることに気付いた。GPS機能内蔵PHSだったわけだ。その後、寄り道を不可能となってしまい完全に真面目な下校を毎日繰り返すことになった。おかげで、中学生となった現在、友達がマクドナルドに寄っても、絶対に僕は付き合うことは無い。しかし、やはり過保護のせいか、たかが通学路の途中にある自動販売機にすら近づくことができない。皆が飲食物を購入するためにその自販機に寄った時、僕も誘われたが心中で困惑の渦が巻き、一度は足が向かったが、体の慣習に逆行することはできなかった。恐るべし、過保護。これほどまで、完璧に寄り道を自ら封鎖してしまうとは…。このように、過保護と管理は、対象としている相手が自身を制御するようになる。
 しかし、保護や管理をきちんと実行することも大事である。人間の子供は、動物とは違い自然にスクスクと成長するわけではない。それに、親が保護をしないと子供は成長過程を乱しながら大きくなる。「狼少年」の話から読み取れるように、狼に育てられた子はたいして言語を話すわけでも無く、ご飯は口で直接礼儀無く食べるなど、まさに狼としての人間の姿だった。よって、たった十三歳で亡くなった。昔話の「桃太郎」でも老夫婦が正しく桃太郎を育てたおかげで鬼退治に行くほどの青年になったのだ。滅茶苦茶に育て上げられた桃太郎では鬼の一味に加わったかもしれない。子は親の保護の下、たっぷり愛を受け取って育つのが一番であろう。
 確かに、多少の保護は必要であろう。しかし、もっと大事なことは人間の本能を磨くことができるような環境をつくることであり、子供を大きく成長させることだ。(総合化)僕は「子供は大人を小さくしたものではなく、それ独自の価値をもっている」という名言どおり、子供独自の感覚は大切であり、失ってはいけないものだと思う。

   講評   miri

<第1段落>うまい要約です。現代にまで言い及んだところが効果的です。
<第2段落>たいへん説得力のある実例です。これ以上の実例はないでしょう。ユーモラスな口調が悲哀をよびますね。。。しかし、本人が自覚している点は、非常に救いとなりますね。それに、大人になっても自販機で飲みものが買えないということはなかなかありませんから、急ぐこともないのです。大人になって親に「過保護にしてくれよ」といっても、それはもう不可能なのですから。
<第3段落>狼少年も、桃太郎もぴったりな例ですね。
<第4段落>現代人は人間の本能、もともと持っている力について、考え直す必要がありそうですね。


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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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