国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   自然との付き合い   さぼてん

 年寄りがいけるような身近な所に薪がとりにいけるような林があり、家のすぐそばを洗濯の出来る川があるといった、この素朴な集落の光景は、日本人にとっての一つの原風景といえよう。また、この国には、扇状地が多い。背後に山を背負い前には平野をのぞむこの扇状地は、水はけのよい土に恵まれ、またその末端のあちこちからは、一度伏流した谷川の水の一部が再び、穏やかな小川となって流れ出している。また、里山に多い鎮守の森は村人たちの信仰の場であるとともに、山の中に巧みに織り込まれた、今で言う「保存林」にあたる聖域なのであった。
 聖域といえば、宮崎駿監督作品の「となりのトトロ」を思い出す。トトロは、本来森の精霊(?)で、御神木のような大きな木のくぼみのような所に住んでいる。あの作品を深く考えると、純粋な心をもった子供にしかトトロが見えなかったり、わざわざ木の中に住んでいたりと・・・。あの作品は、「純粋な心をもった人が減った」「トトロの住める所が限られた」ということがいいたかったのではないだろうか。又、同じく宮崎駿の「もののけ姫」では、人間が森や動物などの多くの自然を破壊していく様子が生々しく描かれている。これも、トトロと同じような事がいいたかったのではないだろうか・・・。
 しかし、「もののけ姫」は「となりのトトロ」ほど、ハッピーエンドでは無い。(というか、宮崎監督の作品は思いっきりハッピーエンド、という感じがないから面白いのだと思うけど、映画的な評論は止めておいて、)「もののけ姫」は、人間が自然の怖さを思い知って終わるような形になっている。実際に、空想上の世界ではなく、最近では、スマトラ沖地震だとか、新潟のほうでも地震がおきただとか。地震・雷・火事・おやじ(ちなみに、「おやじ」と言うのは「台風」という意味もあるみたいですヨ)と言うように、自然災害はとても怖い!!だが、最近は、自然の恐怖を恐れる人が減った。昔は「台風が来る」なんていったら、急いで窓に板を取り付けたものなのに、今ではベランダのプランターをちょいと中にしまうくらいだろう。本当に、自然を恐れなくなったのだ。
 先に書いたように、人間にとって(動物にもかも??)自然は怖い!!、しかし、自然と上手く付き合えば、癒しにも成るし、日々いろんなものが得られるのだ。ただ、接し方をちょっと誤ると、雪崩、山崩れ、日照り・・・。もちろん、人間が何もしなくても自然の怒りは勝手に振りそそる。その怖さが分からなくなってしまった。剣によって立つものは剣によって滅ぶように、せっかくの自然からの恵みを自然にうばれるかもしれないけれど、文句はいえやしない。

   講評   yama

 こんにちは。現代に生きる私たちにとって、自然との間にある隔たりは大きいですが、このままでは不安ですね。自然の中で生かされているという事を忘れてはいけません。

<第一段落>内容的にもよくまとまった、文句なしの要約です。
<第二段落>映画「となりのトトロ」「もののけ姫」をみて考えたこと書いてくれました。「純粋な心をもった人が減った」「トトロの住めるところが限られた」本当にそのとおりですね。トトロが見え、トトロが住めるような場所があるというのが、本来人間が生きるべき姿なのかもしれません。
<第三段落>「もののけ姫」の話から発展させて、自然災害について書いてくれました。現代の家は昔よりも性能がよくなったので、台風がきても窓さえしめてしまえば、家がゆれたり風の轟音が聞えたりなどということは少なくなりました。でもだからといって人間が自然をコントロールしているわけではないことを忘れてはいけませんよね。
<第四段落>「人間にとって自然は怖い」とまとめてくれました。さぼてんちゃんも言っているように「接し方」が大事ですね。ことわざを引用しつつまとめるという構成もばっちりでした。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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