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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   求めるべき知性   タクミコ

鯨や象は、人の「知性」とはまったく別種の「知性」を持っているのではないか。人間の知性は意のままに支配しようとする、いわば「攻撃性」の「知性」であるのに対して、鯨や象の持つ「知性」は自然の持つ無限に複雑な営みをできるだけ理解し、それに適応して生きるために使われる「受容性」の「知性」である。私たちは、鯨や象が持つ受容性の知性に学ぶべきである。
そのための第一の方法は私たち人間の知性を攻撃のためではなく、調和のために使うことである。私のクラスに学年の中でも有名ないわゆる「天才」の子がいる。彼女は理系科目に特に優れ、先生も驚くほどの理解力を持っているが、彼女は毎回テスト後に発表される順位にとらわれ過ぎて本来ある能力を充分に発揮できていないと私は感じる。普段の会話や教え方などから彼女が本当に理解して解いていることは感じ取れるし、感心する程素晴らしい力を持っていると思うが驚くことに彼女は自己の向上ではなく他人を蹴落とすという考え方を持っていたのだ。しかし、あまりにも他人と自分を比較しすぎて他人を攻撃することしか考えていないから中々本人が思うような成績が出ないのではないかと私は思った。他人を攻撃するという思考はある程度まで行くと力が向上しにくいが、自分に挑戦するという考え方では無限に追うものがある。そうやって受容性の知性を身につけていくのも人間的な成長に繋がるのではないかと感じる。
また、受容性の知性に学ぶための第二の方法は自然や環境に学び、それらを考慮に入れながら生きていくことである。北海道に住んでいるアイヌ族は宇宙が天上、地上、地下の世界に分けられているという考えを持ち、動植物や自然現象などすべてのものの霊魂を信仰している。それは土地不足などから森や林などを切り倒して自分達の利益に繋がるような色々な建物を環境に負担をかけているのを分かっていながらも建て続けるような人間とはまったく違う。このように、私たちは科学技術の進歩のみでなく、幅広い視野を持って環境も考慮に入れながら自分達の知性を生かしていくべきである。
確かに、科学技術の発展というのは人間の知性を生かす方法なのかもしれない。しかし、同時にそれは自然を制御するものであって「自然をコントロールし、意のままに支配しようとする」人間の自己中心的な考え方である。知性は独裁的に得るものではなく、様々なものとの協力によって得るものである。人間の真なる知性の発達・発展のためにも私たちは鯨や象といった「受容性」の「知性」を持ったものに学び、「攻撃性」の「知性」を改善するべきである。

   講評   hota

 清書して、要約を簡単にしても点数が1点しか下がりませんでした。感想の部分もかなりよかったと言うことですね。お母様は「高尚な文だと思うと要約だったりして……」などとおっしゃっていましたが、タクミコさんの文章もそれほど遜色ないということです。(と、お母様に伝えてください。)

★次週、12.1週は進級テストです。長文をよく読んでおいてくださいね。


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