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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   発明は発展の母   しっぽ

 本来、特許制度は発明を保護する役割を担っている。技術を公開した代償として、発明者に独占権を与えようとするものである。それによって、開発コストは回収されて利益が生まれたり、重複研究・二重投資が避けられて、発明された中身の吟味によるさらに違った方向方向の研究が進んだりすることもある。また、発明が特許により保証されることによって、発明行為に火がつき、新しい発明及び技術開発のための刺激剤にもなるのだ。享保六年に幕府によって発布された触書として、「新規御法度」というものがある。ひたすら幕藩体制の下で秩序を守ることを要求された人々は、オリジナリティを失っていった。現在の日本も、どちらかというと変化よりも安定を好む風潮がある。私はこういった社会的風潮が人々の発明意欲をそいでおり、また重要な問題だと思う。
 まず、その問題の第一の原因として、日本が横並び意識を持っていることが挙げられる。横並び意識は、小さい頃から感じており、また高校生になった今でも時々それに触れることがある。この間、中間試験があった。試験一週間前になると、みんなピリピリして、友達がどこまで勉強を進めているかさりげなく探りを入れたり、偵察したりする。私はこの空気があまり好きではないのだが、中でも一番好きではないのが、友達の謙遜だ。私が「試験前なのに全然勉強進んでないよ」と嘆くと、友達も「私も全然やってないよ」と言う。私の「全然やってない」は本当に全く手をつけていない状態を示す。しかし、その友達のノートをあとでちらっと見ると、かなりマーカーがひいてあり、とても勉強していないようには感じられない。勉強したならしたと正直に言えばいいのにと思うが、言えないような雰囲気があることも確かだ。私の学校では、とても頭の良い子は一目置かれる。同じクラスメイトであっても「頭のいい○○さん」と神格化され、みんなから距離をとられてしまうのだ。みんながみんな同じ学力であるはずがないし、全員が同じ学力でなければならないという決まりがあるわけでもないのに、私たちはなるべく横並びであることを望む。そうであれば、自分の地位は安定し、確立されるからだ。私はこういった甘い考えが根本にあるようでは、人間の向上心は大幅に現象してしまうのではないかと思う。
 また、第二の原因に、日本が自国の中でその発展をとどめていることにある。日本は国内産業が需要の中心で、外国産業はあまり取り入れていないし、目を向けることも少ない。しかし、もっと多くの発達や発展を望むのであれば、他の先進国などに行くことも必要である。自然界では、弱肉強食というのが基本となっている。弱いものは強いものに淘汰されてしまう。生き残るためには、自分が相手よりもさらに強い生命力を持つことが必要となってくるのだ。それと同じで、日本も他国で多くの発展を目の当たりにすることで、自分がこの広い競争社会の中でどのように生き残っていくかを考えることも必要なのだ。
 確かに、人々の発明によってめまぐるしく変化していく社会は不安定である。秩序立てられて安定した社会の中でこそ、人間は安心して生きていくことができるものだ。しかし、安定した社会を求めるあまり、変化を恐れてはいけない。社会が変化する時に、人間はそれに適応するためにいくらかリスクを背負う。それは簡単にできることではないが、その小さな進歩が後の大きな発展につながる、重要な意味を持った足跡となるのだ。私たちにとって変化とは、安定した基盤を揺るがすものではなく、今私たちが立っている地面を補強し、より居心地の良い場所を作るための必要な糧となるものなのだ。

   講評   nane

 第一段落の問題提起は重要。日本人は、発明の才能があるのに、社会の仕組みがその才能の発揮を妨げている面がある。もっと、新しいものを作り出すことに対して応援する気持ちが大切だね。
 横並び意識の例は具体的。(笑)みんな、自分はやっていないようなことを言って、本当にやっていないのは実は自分だけだった、ということはよくありそう。日本では、みんなと違うと思われると摩擦が大きくなるんだろうね。ファッショでも成績でも、人並みが基準になる。しかし、だんだんとその人並み意識から自分流のやり方に抜け出てくる人がいる。ほしさんも、大学生になったらどんどん自分のやり方を貫くようにがんばってね。
 弱肉強食の自然実例は、オーストラリアのような例かな。大陸との交流がない島国では、自分のいまいる位置に満足してしまいがち。イチロー選手なども、そういう自分を克服するために大リーグに行ったんだろうね。自然実例の得意な分野を一つ作っておくといいよ。
 結び名言はうまい。変化とは不安定を生み出すものではなく、安定をより強固にするものという指摘は貴重。コマでも回っていないと不安定になるからね。
 社会実例の幅を更に広げていこう。

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