国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   行雲流水〈自然のままに生きる)   いへゆ

 動物は、人間とは死の概念自体がずいぶん違うと思う。動物の場合、肉食獣に追われて逃げきるか喰われるかは一つのゲームだ。何度勝った者も最後には敗れる。自然界には自然死という言葉はない。動物はみな捕食者であると同時に獲物であり、喰うだけという動物はいない。そして、彼らにあるのは事故死と病死だけだ。動物は愚かだから悩みがないというのは間違いだ。動物たちはお互いに知恵を共有することで個体のエゴを制限し、ちゃんと安心立命を見出している。
 私も、動物が生きるか死ぬかのところで、バランスをとりながら生きているのは、良いことだと思う。その理由は第一に、死ぬという終わりがないとダラダラと過ごしてしまうからだ。身近な例をあげてみると、学校の宿題などがそうだ。期限がないと絶対にやらない。でも、期限が決められていると、いやでもしなくてはいけない。宿題が出されると、
「え〜。いややなぁ。めっちゃ多いし、難しい!」
とか文句を言っているけれど、絶対にする。もしやらなかったとしても、
「岡山。おまえ宿題どうした?忘れたんかぁ?はやく出せよ。」
などと先生に言われる。そんなことを、いつも言われるのでいやになって宿題をやっていかなくてはいけないようになる。でも、期限が決まってなかったら、
「別に期限ないし、先生怒らんしイイや。」
と、思ってしまう。これと同じように、人間も終わりがなかったら、後回しにしてダラダラとしてしまう。
 第二の理由は、生きることを大切にできるからだ。今、ドラマで「1リットルの涙」というのがやっている。主人公の亜也という15歳の女の子が、脊髄小脳変性症という治らない病気になってしまい、どんどんと体が動かなくなってしまうお話だ。このようなドラマを見ると、
「私も、まだ13歳だけど、若いから死なないっていうわけじゃないんだ。」
と改めて感じる。改めて感じるということは、私はいつもそのことを忘れているのだ。日本の平均寿命は、世界で1位で男性77.01歳、女性83.59歳だそうだ。だから、人間は「自分は普通に平均寿命まで生きられる」と思っているのだ。だから、こういうドラマを見ると、生きているということは大切だと改めて思う。
 確かに、死ぬことを考えると安心して過ごせなくなる。しかし、「自分の心のうちに持っていないものはなにものも何一つ自分の財産ではない。」という言葉があるように、自分で生きていることを楽しまなくては、生きていても何の役にも立たないのだ。

   講評   huzi

 インターネット送信で送ってくれたね。すぐに点数がわかって、おもしろいでしょう。しかも、78点とはなかなかの高得点です。「2ネンサキヲススンデイマス」とコンピュータがはじきだしました。よく頑張ったね!
  難解な言葉で構成された意見文でしたが、要するに動物は生きるか死ぬかというところでバランスをとりながら生を得ている。これを頭の中でまとめられると、あとの意見を続けられますね。
  【理由】は、まず、「死ぬという終わりがないとダラダラと過ごしてしまうからだ」。私たちは毎日、小さな「死」、つまり区切りを目標にして過ごしていますね。彩花ちゃんが日々体験している宿題の締め切りもそうですし、1年に終わりがくるのも同じです。「いつまでも続く」と思うと、物事を集中して片付けるためには、労力を出さねばなりません。終わりが来るというプレッシャーは、私たちの背中を押してくれるのですね。
 第二の【理由】では、最近見たドラマの話を取り入れたのがいいね。生きることを大切にするためには、死を見つめる機会も大切なのですね。とくに【データ実例】で示したように、長寿大国といわれる日本では、死は遠くにあるものと思われがちです。
 むすびは、死というテーマから離れて、生に対する視点でまとまったね。たしかに生と死とは隣り合わせですが、生きる楽しみを見出してこそ、その境界は濃くて強固なものとなるのですね。


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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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