国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   今日の都市生活に(感)   ポッター

今日の都市生活に欠かせない行列という社会現象。現代日本のアイスクリーム店やコロッケ屋の前では、需要が浮き彫りにされる。
 しかしながら、例え需要-供給に顕著な不均衡があっても、身分や地位にかかわらず先着優先の原則がなければ、誰も列をつくって順番を待とうとはしないだろう。行列が頻繁にみられる現代の公共的場面では、年齢や社会的地位や性差や人種差などは体系的に無視されるが、そうした先着優先の平等主義がないところでは行列は生まれない。行列をつくって順番を待つ習慣は、たとえば士農工商の身分制社会ではかんがえられないように、元来西欧の近代社会に特有な行動様式なのである。私は、行列に賛成だ。
 理由の一つは、行列が出来ることで、その店に沢山人が入る(=店の評判が上がる)からである。
 私の住んでいる浅草には、有名な料理屋さんがいくつかある。その一つが、「大黒屋」という天ぷら屋だ。雑誌やテレビなどにも出ていて、週末、ときには平日でも長い行列が出来ている。裏通りの角にある店なのだが、店の角を曲がってもずーっと並んでいる。まるで狐の嫁入りのようなかんじだ。私は下町っ子ながら、未だにその天ぷらを食べたことはないが、両親の話によるとあまり美味しくない(らしい)。でも、ものすごい行列なので、一回は食べてみたいなぁ、と思ったことはある。
 また、その行列の先にあるものによっても変わるが、今回はそれが良いもの
だったとして考えてみよう。
 例えば、デパ地下のお店などでは、行列がよく見られる。私の家の近くには松屋というデパートがあるが、その地下で売られているパンがとても美味しいという評判がある。そのパン屋では季節ごとに期間限定のパンを売り出している。今年の夏には豆パンという、枝豆の入ったパンを売っていた。最初はあまり人が並んでいるところを見なかったが、だんだんと人が並び初めて、八月の半ば頃には十人くらいの人がいっぺんに並ぶようになっていた。だから、夕方の五時くらいにはもう売り切れになってしまっていた。私も何度か並んだことがあるが五分くらい、長いときには十分くらい並んでいたこともある。
 このように、初めはあまり行列といわれるほどでもなかったものが、「美味しい」という評判で行列ができ、その行列を見た人が「どんなものなのだろう」と、更に並んで長い行列をつくる。それがもととなって雑誌に載ったり、店の宣伝にもなるわけだ。行列は、商売繁盛に役立つのである。
 二つ目の理由は、行列に並ぶことで、我慢する力がついたり、時には人と会話をしたりということもできる。
 レストランや定食屋さんなどの外食先の店では、このようなことが多いだろう。特に、年輩の方々などは、知らない人とも話したりしている。また、そのような行列が出来るのは、和食の店が至って多いと思う。
 浅草の「オレンジ通り」という通りの角に、「まぐろ人」という寿司屋さんがある。その寿司屋はとても評判が良く、休日には人が長い列をつくり、七時頃には人数制限の立て札が立ってしまうほどだ。データを見ても、外食で食べたいものの一位が寿司で13.5%だった。寿司屋は子供から大人まで、すべての分野において人気がある。そこまで人気があれば、制限ができるまでの行列ができてもおかしくはない。問題なのは、待っている間、どういう風に待っているかである。子供の場合、待ちきれなくて喚いたり泣いたりして、周囲の人に迷惑をかけてしまうことがある。かといって、大人の人はただ黙々と並んでいるだけだ。私はこのような場合、年輩の方々を見習った方が良いと思う。
 大体六十過ぎの、特に女性だと、並んでいるときにちょっとしたことですぐに仲良くなってしまったり、話をしたりする。目があって、「すごい行列ですねぇ」と一人が言えば、「えぇ、本当に。でも主人がどうしても食べたいって言うもんですから」というように、簡単に会話をしてしまう。これが私たち若者に出来ないのは、他人と接する機会があまりなかったり、変な事件が起きたりしているからだろうか? …少し本題からずれてしまったが、行列が出来ると他人と接する機会ができるのだ。
 また、小さい子供なんかも、行列に並んでじっと待つことで、忍耐力がつく。もし泣き喚いたりして周囲の人に迷惑をかけてしまうようなことがあれば、親が注意したりして、「我慢」という言葉を覚えさせることである。そして再度行列に並んでみる。行列は、忍耐力をつけるという修行の場でもあるのだ。
 確かに、行列に並んでいるとイライラしてくるとか、食事も「他の所でも良いじゃないか」ということがあるかもしれない。
 しかし、「もともと地上に、道はない。歩く人が多くなれば、それが道になる」ということわざがあるように、行列ができることで良くなることもたくさんあるのだ。たとえ行列が無くても、自分が良いと思ったら、とりあえず並んでみることが第一だと思う。そのあと、思わぬ展開になるかもしれない…。

   講評   inoko


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