国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

昨日2426 今日1042 合計53378
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   行列と秩序   藤山(ふじさん)

今日の社会には、行列と言う現象がある。一般に物やサービスの需要関係に一定以上の不均等があるところではどこでも行列ができる可能性がある。しかし、アラブ社会では先客かまわず次々と用件を聞いて、処理しやすい物から答えていくというやり方をとることが多い。イギリス人やアメリカ人は行列を当たり前のように考えるが、ギリシアなどのヨーロッパでも工業が遅れた社会の人々にはそんな行列も羊の群れに見えるらしい。民主主義には一定の均質性が必要だが、行列を見ていると、工業化社会が近代民主義の母体である事が良く分かる。工業化社会によって現在の文明が栄えている事は明らかだ。そのためには行列のような決まりが必要である。なので、行列は必要だ。
 その理由は、第一に、ルールを守る事によってさまざまな物事がスムーズにすすむからだ。現在の工業化社会には秩序がなければ成り立たない。例えば、車は信号を守って道路を走る。もしすべての車が信号を守らずに自分勝手に走っていたら、どのような事になるか想像して欲しい。一台が信号無視をするだけでも大変な事なのだから。車に限らずしっかりとルールが守られないことには、現代社会は存在できない。
 その理由は、第二に、ルールを守らないとさまざまな混乱を起こすからだ。例えば、映画のチケットを買いに多くの人が行列を作っているとする。そのため、並んだ順にチケットが手に入る。しかし、みんながチケット欲しさに順番を無視して、行列を乱したら大変な事になる。チケット売り場に人が殺到する事になる。そうすれば押されてけがをする人が出るかもしれない危険な状況になる。少なくとも、みんなが大変な思いをするのは確実である。2001年に、第32回明石市市民祭りの花火大会では、会場に向かう観客と帰路についた観客が歩道橋で押し合いになり、転倒し、死傷者を出した事件がある。この事件は、警察などが観客の誘導を怠り、歩道橋と言う花火を見る絶景ポイントに多くの人が集まったから起きた事故である。警察がしっかりとルールを作って多くの人を誘導すればこの事故は、起こらなかったであろう。
 確かに、行列にもよくないところがある。多くの時間を行列に割く事になる。その時間にほかの多くの事が出来るはずである。並ぶということは非常に時間の無駄遣いになる。しかし、行列を作らなければ、逆に時間をさらにかけてしまう事になることがある。ルールなしでは大変な事になる事があるということは、今までの説明で分かるはずである。ことわざにも「急がば回れ」とある。結局は近道をするよりゆっくり回り道をするほうが安全で、効率がいい事が多い。この事はこれからの人生にも必要だ。そのため、行列は必要である。

   講評   inoko

 藤山くん、こんにちは。おかしな事件が日々起こる日本。昔に比べると、やや秩序が乱れているように感じることがあります。ルールを守れないのは子どもだけではなく、大人の行為にも呆れることがありますね。ルールを守ることは、何も自由が奪われることではありませんね。そのことをはき違えてしまうと、ますます日本という国は悪くなるばかりです。
☆ 第二の理由で述べている花火大会の事故は、よくぞ引用したという感じです。今回の感想文のキーワードである秩序やルールを述べる上では、正にピッタリの実例であるといえます。意見も一貫しておりブレがありません。語彙も豊富ですね。次回の作品も楽しみにしています。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)