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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   「ルールを守ることの大切さについて」   えほる

行列という社会現象は、近代の工業化社会に特有のものだろう。行列が頻繁に見られる現代の公共的場面では、年齢や社会的地位や性差や人種差などは体系的に無視されるが、そうした先着優先の平等主義がない所では、行列は生まれないからだ。さらに、行列は、要件を一つずつ片づけるという近代的事務処理の発想に根ざしている。このように行列には独特の論理と構造がある。待つ者が一人のあいだは、無力感や焦燥感が不快を生み出すが、二人以上になると、待つ者同士の不安な社会的関係が要素に加わる。民主主義には一定の均質性が必要だが、行列をみていると、工業化社会が近代民主主義の母胎であることがよく分かる。私は、行列などの社会的ルールが必要で、それに従う必要があると思う。(要約、意見)
 その理由は第一に、ルールを守ることによって、秩序が保たれ、物事がスムーズに進むからだ。例えば駅のエスカレーターでは、以前は、二人ずつ乗っていたが、今は一列で乗るようになった。それにより、急いでいる人が、通せんぼされずに昇降できるようになった。また、公衆トイレや、銀行のATMでも、以前はブース分の数の列ができていたが、今では一列に並ぶことが常識となった。私の並んだ列に、時間のかかる人がいてなかなか順番が来ず、他の列に並び替えたところ、かえって遅くなってしまったことがある。思わず、どちらの列が速いか、焦燥感に駆られた。その点、一列に並べば、速い列だけが優先されることなく、空いたところから順次利用できる。人が集まるところでは、一定のルールを設けた方が、不平等感もなくうまくいくのである。(経験)
 第二に、ルールを守らないと社会に混乱をきたすからだ。例えば、信号を守ることも一つのルールだが、この信号がなかったとしたらどうなるだろうか。私が住む愛知県の調査によると、県内の自動車登録台数は、バス、貨物車、乗用車を含めて、四百二十三万一千五百五〇台である。主要路線の一二時間交通量は、最大七万一千七百二十三台となっている。愛知県は全国でも最も乗用車の保有台数が多い県である。信号がなければ、このような多数の車の往来がまひし、衝突事故がより多く起こることになることは想像にたやすい。今でも、愛知県は交通事故ワースト一であり、その原因の一つに車所有台数の多さがあげられている。これ以上の事故数を増やさないためにも、信号機などの交通ルールは不可欠である。(データ)
 確かに、ルールですべて規制してしまう社会はよくないという人もいるだろう。前述のトイレを列にあげると、並んで待っていられない事情を持つ人、例えば、幼い子供を抱える母親や、病気持ちの人、高齢者等にとっては、ルールに従ってならばせるのは酷である。「悪いことそのものがあるのではない。時と場合によって悪いことがあるのである」という名言もあるように、すべての事例をルールに従わせるのでなく、時と場合によって、裁量を持たせ、特定の人を優先させることも必要である。人が住みよい社会というのは、ルールと裁量のバランスがうまくとれている状態を指すのである。日々の生活の中で、どんなときにルールに従うべきか、どんなときに裁量を認めるべきか、みんなが考えながら暮らしていこう。ルールを破ることも、時にはルールのうちなのである。(名言)

   講評   siori


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