国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   言葉と経験   りんこ

 脳機能が無意識のうちに働くような現象を随意運動というが、要するに、「手を上げよう」などという目標に向かって脳がひとりでに働くのだ。「手を上げよう」と言うのは意志とも言われるが、意志さえ強ければ何でもできるというわけではない。経験があって、それと言葉が結びついていかなくてはならないのだ。何をするにしろ、どうしたら失敗するか、と言うことを知っていて失敗することは滅多にない。そこで、次に同じ事をする時に、「また、失敗するかもしれない」と思うと、本当に失敗してしまう。前よりもひどく失敗することもある。失敗という言葉をきっかけに、以前に失敗した時の脳の働きが進行して失敗するのだ。また、成功した経験がないと、「成功」と言う言葉では脳は成功に向かって働かない。以前に成功した経験があると、そのときの脳の働きがひとりでに進行して、成功を重ねることになる。
 確かに言葉が行動を起こすこともある。例えば、横断幕だ。私たちの学校では、毎年体育祭の時期になると横断幕を作る。今年は、「一黄団結」だった。この由来は、「一致団結」という言葉からきたもので、黄色のみんなが(私たちの学年の色は黄色なのである)団結できるようにと名付けられたのだ。この言葉のように、本番ではみな団結でき、結果は5位だった。もちろん6学年中5位と言うなんとも平凡な順位だが、今年は、去年以上に点数が上がり、もう少しで高1を抜かしそうなところまで来ていたのだ。これは、みんながこの言葉の意味をちゃんと理解し行動に示せたという証ではないだろうか。来年は、黄色が優勝争いをできるまでにもなりたいと思う。
 しかし、経験が必要な場合もある。例えば、勉強などだ。勉強は毎日の積み重ねで、経験がないといけない。そのために今私たちは毎日学校に行って勉強をしているのだ。「ねずみそうだん」という、猫に鈴をつけようという話がある。天井裏のネズミたちは階下の猫に捕まらないか、ビクビクしながら 暮らしていた。猫対策のネズミ会議を開くが、よい案が見つからない。若いネズミがはたと思いつく。「猫に鈴をつければ、上がってくるのがわかるよ」。みんな納得し、よいアイデアだとほめたたえる。しかし、「その鈴は誰がつけに行くんだい?」年寄りのネズミがたずねたとたん、一同、黙り込んでうつむく。と言う物だ。(昔話)これは、経験が必要なため、口に出して軽々しく言っているが、本当は誰も行動に移せないのである。
 確かに、言葉が行動を起こすことも経験が必要な場合もある。しかし、最も大切なのは、「短所をなくす一番良い方法は、今ある長所を伸ばすことである。」という言葉のように、言葉の良いところを見つけて生かしていくことだと思う。(総合化)

   講評   huzi

 進級テストの課題でした。せっかく頑張った作品、ちゃんと見つかってよかったね。字数も項目もしっかりクリアできていますよ。
  【複数の意見】は、長文のキーワード、「言葉」と「経験」を対比させながら書くとうまくいきますね。言葉が行動を導くこともあるし、経験が行動につながることもある。
 体験実例に挙げた、学年スローガンの例は身近でわかりやすいです。とくに集団をある方向に導こうとするとき、短い言葉が大きな牽引力を持ちます。
 【昔話実例】は、「ねずみのそうだん」を引用。この段落のむすびは、「経験が必要なため口に出して軽々しく」とありますが、文の流れからは「経験がないため」ですね。言葉より経験が重みを持つと述べたい部分です。引用はもう少し圧縮してもよかったかな。
 【総合化】は、「言葉の良いところを見つけて生かす」と、別の視点を大きく広げて書けました。良いところを見つけてこそ、言葉は経験を上回ることができるのでしょう。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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