国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

昨日2788 今日337 合計12479
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   自分らしさ   ミュウ

 日本は最近「国際化」しようと熱心である。しかし、いくら国際化でも、深い交流があるのは欧米諸国、特に米国だろう。このことから考えると、国際化というよりは欧米化、それよりはアメリカ化と呼んだ方が正しいのかもしれない。日本はどうやら、アメリカに適応することを国際化としているようだ。けれども、他国に合わせたり、揃えたりすることには意味があるのだろうか。国際的な問題の件数を減少させる、又は無くすという、簡単に言えば、喧嘩を無くすために相手国に合わせているのではないか。確かにアメリカは、世界の中心の国であり、権力が強い。技術がかなり進歩し、日本にも米軍基地が数ヶ所ある。だからといって、アメリカに従ってばかりではいけない。従うと、日本らしさや日本の個性が見にくくなるのだ。しかし、日本という国に限らない。日本国民もそうである。ただ、日本人は権力の強い日本人の陰に隠れているようなものだ。私達は、一人一人が自分らしく生きていかなければならない。
 そのための第一の方法は、他者をつくることだ。身近な存在として、友達が挙げられる。そもそも、「自分とは何か」と考えるには、周囲に人がいなければできない。周りと自分とを比べて初めて、自分らしさが理解できるものなのだ。日本も昔、中国と交流をしたことによって日本らしさを学んだはずだ。当時の日本は、渡来人や遣隋使・遣唐使を通じて中国との違いを知り、日本らしさを発見して成長させていったのである。さらに日本は、16世紀の大航海時代によってヨーロッパとの交流を持ち始めた。日本にとっての他国の数が増し、多種多様な文化の影響を受けながらも、日本らしさの枠は限定されてきた。これは人間にもいえる。つまり、周囲にいる他者の数が多ければ多いほど、自分らしさがはっきりと見えてくるのである。私も、小学校の頃よりは人数が増えた中学校に入ってからの方が、自分の性格が明確になってきたような気がする。
 第二の方法は、他者との関わりをもっと持つことだ。関わりを持ち始めると、意見の衝突が必ずある。そこで相手の意見に従うか、それとも自分の意見も思い切って言ってみるかによって、自分の個性が伸びるか伸びないかが決まる。意見には、自分らしさが含まれているのである。大袈裟に言えば、「虎の威を借る狐」でいてはいけないということだ。ドラえもんのキャラクターを例えに出すと、大抵はジャイアンの背中にすがり付いているスネ夫のような立場では、あまり個性が伸びないのだ。合唱曲である「自分らしく」という歌詞の中に、「誰もが夢を追いかけてる 自分らしさを求めて 新しい出会いの中に 素晴らしい未来が見える」という部分がある。「新しい出会い」とは、新たな一歩、つまり、自分の意見を述べてみるという「前進」と考えられる。この一歩によって、自分らしさが伸びてくるのである。
 確かに、自分の意見を積極的にぶつけていては、喧嘩になったり、自己中心的だ、と思われたりしてしまう。だが、個性とは一人一人異なるものであるから、どれだけの量の意見を述べるかはその人自身の個性にかかっている。その面から考えると、発言するという行為は自分らしさの程度が露になる行動の一つであり、便利なことかもしれない。「大切なのは、健康らしい外見ではなく、健康自身である。」という名言がある。この言葉のように、外側から勝手に自己を判断されないように、常に自分をアピールする必要がある。私はこれから先の長い人生を、たくさんの人々と触れ合い、自分を成長させながら生きていきたい。

   講評   nara

 「今はあなた(アメリカ)しか見えない……。」という状態に日本は陥っているのかもしれないね。相思相愛で、世界が二人のためだけにあるのであればいいけれど、現実はそうはいかない。他の人もたくさんいるし、相思相愛の気持ちは変わるかもしれないし、偽りかもしれない。相手だけを見ているのではなく、自分が見つめるべき方向・立つべき位置はどこなのかを探らなくてはならないのだね。

 第1方法:他者を作るということを、古い歴史と自分自身の体験という2つの例で論じたのだね。中学に入ってからの話はおもしろい題材だ。もっと詳しくてもよかったと思うよ。確かに、小学生時代とは違った個性が進学するにつれ明らかになってきたという経験は、私自身にもあるよ。
 第2方法:第1方法から一歩踏み込んだ方法論だね。人との関わり合いを持つことは、面倒なことも多い。切り捨ててしまえば考えることも少なくていい。「いいよ、こことうまくやれば、あとはどうだって……。」という消極的または投げやりな態度では、「自分らしさ」などつかめるはずもないのだな。
 日本人は意見が対立することを嫌うとよく言われるね。発言すること自体を煙たがる傾向も見える。意見が対立するということと、感情が対立するということは、別問題だけれどどうも混同しやすい。自分らしさを抑えてうまくやるよりも、自分らしさを伝えてうまくやる方が、難しいけれど意義のあることなのだね!

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)