低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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自分の為に全体の為に すいーとぽてと
宇宙飛行士はみな、宇宙で『私』と言う個体意識が一気に取り払われるような体験をしている。この体験を最も分かりやすく話したのは、アポロ9号の乗組員だったラッセル・シュワイカートだ。彼の宇宙船の中から撮影するはずだったカメラが突然故障し、動かなくなった。だから、彼はそのまま何もせず5分間待つ事になった。そのとき、「今ここにいるのは『私』であって『私』でなく、全ての生とし生ける者としての『我々』なんだ。」と感じたという。シュワイカートが宇宙空間で体験したこの『私』と言う個体意識から『我々』という地球意識への脱皮は今、この地球に住む全ての人々に求められている。
確かに、個体意識という自分のための利益を考える事は大切だ。この間まで、体育の授業でバレーボールをしていた。私はバレーボールをやった事はなく、練習をしても人並みレベルにすら達することができなかった。だから、体育の授業はとても憂鬱だった。皆は、どんどん上手くなっていっているのに、私だけレシーブすら上手くいかず、毎回ボールが斜めへ跳んでいったり、後ろへ跳んでしまったりしていた。何度か授業を受け、それから授業の終わりには必ず試合をするようになった。そこで、私達の班は一勝も出来ず、ビリ決定戦をやる事になってしまった。それから私はあせって友達とパスの練習や、実際に練習試合をするようになった。私も、レシーブが後ろには跳ばなくなるなど、少しずつ上達していった。そして、たまにサーブも入るようになった。ビリ決定戦では、なるべく前に出て、ボールを取るようにした。結果、大差で勝つことができた。個体意識を持つと、向上心が芽生えるのだと思う。
しかし、地球意識、全体のための利益を考える事も大切だ。例えば、昔話の「桃太郎」などが挙げられる。
これは、おばあさんが川で洗濯をしているときに桃が流れてきて、その桃からは桃太郎が生まれた。彼は、おじいさん、おばあさんに大切に育てられた。ある日、桃太郎は途中で出会った犬、猿、キジにきび団子与え、家来にし、鬼ヶ島に鬼退治に行った。彼は鬼を退治し、村に宝を持ち帰って幸せに暮らした、という話だ。彼が鬼退治に行ったのは、自分の利益の為ではなく、村の利益を考えての事だ。自分の事しか考えていなかったら、わざわざ鬼ヶ島まで行かなかっただろう。
自分のための利益を考える事も全体の利益を考えることもどちらも大切だ。しかし、「私達の幸福が、他の人々の不幸に支えられているのであってはならない。」という名言がある。このように、最も大切なのは自分の為が全体の為、全体の為が自分の為になるような社会を作ることだ。
講評 kira
すいーとぽてとちゃん、こんにちは。個人の利益を追求していくことは、意欲を高め、競争を刺激し、社会全体の活性化につながっていきます。もちろん、それが「勉強」の場合、それはテスト重視、偏差値主義、受験地獄なんていう弊害も生みますが、自分のために頑張る勉強が向上心を支えているのは確かだね。
すいーとぽてとちゃんは、バレーボールでチームのなかに隠れたような意識の時には実力アップできなかったのが、自分自身を意識した時、向上できたんだね。チームの力も個人の力の足し算から始まりますよね。
全体のために頑張る事も大切。昔話の「○○退治」物はみなその部類ですね。立身出世も村のためであったりしました。そうやってみんなのためにした努力は、必ず自分の足元をも豊かにしてくれているね。
自分のためにという「競争」、みんなのためにという「協調」、その両方が影響しあうような社会を目指したいですね。
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