国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   独裁と民主主義   ともっち

 多くの人を一つにまとめる場合、二通りのやり方がある。一つはその中でも一番力のある人が全てを決めるという独裁である。独裁は無駄がなくスムーズに物事を進めることができるが、その人に反対する人がいないという欠点がある。もう一つのやり方はみんなの意見を聞いて決めるという民主主義である。民主主義はみんなの意見を取り入れられてとても良いが、唯一の欠点は時間がかかるということである。このように独裁と民主主義は対照的であるが、私は独裁ではなく民主主義を守るべきだと思う。
 そのための第一の方法はみんなが参加しやすい環境を作るということだ。一部の人だけでなく、みんなの意見を聞くというのが民主主義であるので、みんなが意見しやすい環境を作る必要がある。私の学校では中学3年生は、文化祭でクラス展示をするということになっている。クラス展示とは教室の中にテーマにそったものを展示するというものである。私も中3の時にそれをやったが、そのテーマを決める話し合いでなかなか意見が出なかった。それを見た先生が「全員が無記名で紙に書いて集めてみたら?」と言ったのでそれをやってみることにした。そしていざ紙を集めて開票してみると、様々な意見が出てきた。無記名で書くことで、みんなの前では恥ずかしくて言えなかった人も、みんなの目を気にせずに意見を書くことができたのだ。このようにみんなが参加しやすい環境を作るということは大切である。
 第二の方法としては、たとえ反対意見を言う人がいてもその人を疎外しないということだ。疎外されると思うと反対意見の人は意見できなくなってしまい、そうなると民主主義ではなくなってしまう。また反対意見も考慮するということは大切である。私は先日、ダンスの授業でグループ発表をしたが、そのグループは好きな者同士ではなく、名列順に8人ずつとったグループだった。この決め方は先生が考えたものだが、このように決め方をした理由を先生は、「好きな者同士のグループにしたらいい作品ができるというのは分かっているが、あえて名列順で組むことで自分にはなかった意見を聞くことができ、その意見と自分の意見をうまく組み合わせるということが大切だからだ。」と言っていた。実際に名列順でグループを組んでやってみると、確かにいろいろな意見が出て、それをうまく取り入れることでとても良い作品ができた。このように様々な意見を取り入れるということは大切である。しかし昭和初期の日本は独裁だったので、人々の意見を取り入れず、戦争に反対する発言をした人は『非国民』と言って疎外されていた。そのせいで日本は戦争を防ぐことができなかった。(歴史実例)このように反対意見を疎外しないということは大切である。
 確かに独裁だと無駄がなく、スムーズに物事を進めることができる。「独裁は全体ではなく、権力者の意見である」。従って私は民主主義を守っていくべきだと思う。

   講評   huzi

 独裁と民主主義というテーマを見ても、もう難しいと思うことはないでしょう。身近な生活の中に、テーマのヒントとなるできごとがたくさんあることを、ともっちさんならすぐに気付くよね。
  最初の段落では、それぞれの言葉の意味を自分なりに解釈したね。その中で、民主主義は時間がかかることを欠点として書いていますが、本質をとらえたよい指摘です。
  【当為の主題】は、欠点を述べた上でそれでも民主主義を支持すると、強く述べられました。
  【方法】は、
・みんなが参加しやすい環境を作る
・反対意見を疎外しない
と、違った観点を挙げられたね。無記名で意見を募った先生のアイデアはなかなかいいね。しかし第2の方法がしっかり機能していると、記名でどんどんアイデアを出し合うこともできるのです。体育の授業のグループわけは、そういう環境を作り上げるための工夫なのでしょう。
  【歴史実例】も◎。具体的に書き込む方法もありますが、今回のように輪郭だけをさらりと書いてもいいですよ。
 【自作名言】も、しっかりと形が決まったね。内容的にはもうひとひねりあってもいいでしょう。たとえば、
「独裁はすべてをまとめるのではない。権力者の意見をまとめるのだ」というのは、どうでしょう。

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