国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   日本人にとっての国際社会   こずっち

 日本人は個人が社会を構成しているという考えよりも世間の中にいる一人の人間として行動している部分の方が多い。自己はたいてい世間に対して受身なのである。しかし、「世間」という言葉が定義しにくいのは、世間が個人の顔見知りの人間関係の中で生まれているものだからである。私達は世間の中で暮らす方が社会の中で暮らすよりも楽だと思っている人の方が多い。大体の人が自分と世間の関係について深く考えず、自覚しないように暮らしている。欧米人は反対で、日本人の性格が理解しかねるようだ。つまりその性格から企業などの社会で暗黙の了解的制度ができている。これからの国際社会で欧米人と対応していく中でその点はとても不利になる。国際的に生きていく中で少しずつ慣れていく必要があると思う。
 理由の一つ目として、国際社会での内部告発にある。もし企業で自分が何かやってはならない事をしてしまった場合、その相手が欧米人だと日本の世間のようにはいかない。日本の政治家が得意分野であろう賄賂などの汚職という手は通用しないのだ。大体、欧米での正義には方法として認められていない。告発されてしまった日には日本人は卒倒し、社会に顔向けもできないだろう。
 例えば私にも学校という社会に先生がいて、友達という世間を持っている。すぐに注意してくる先生は少なからず私達の敵のように見なされ、私達は仲間である。ある日友達が校則違反をしてそれを私達が知ったとしても、告発したりすることは決してない。それは何故か、小さな世間という集団の中で告発したりしたら、それは裏切り行為となり爪弾きにされるからだ。自分達はそれを一番恐れていることをお互いが知っている。これは大人の社会の縮小図と言えるだろう。そうした汚い制度がある以上、日本人は国際社会で上手く生きていくことは難しい。
 理由の二つ目として、社会での実力と世間での実力が相反していることがある。そのような実力の差が、自分の世界を小さくしているのだ。企業の業績が良い人が昇格したとして、その人が人間的に周りに認められていなければ周りからは不満が生じるのだ。逆に人間性だけで業績の振るわない人が昇格してしまったら皆黙っている。それはとても恐ろしい事である。
 例えば、日本の選挙の立候補者は県民や市民から選ばれるが、その有権者であまり政治に興味のない人が投票に行った時、実績よりも人間性などで選ぶこともあると思う。欧米では政治に興味のない人の方が少ないので、そのような半分適当な投票はしないだろう。
 確かに、日本は島国であることも起因して昔からそのような習慣の中で生きているので、今更それをかき捨てて、欧米に無理に順応しようとすることはとても難しく、逆に生きていけない人も出てくるのではないか。それでもこれからはその中で生きなければならない。日本人は少しずつ視野を広くし、柔軟な考えを持って生活することを心掛けるべきである。
 国際社会に従事することは、私達日本人にとって難しいことではなく、恰好のリハビリテーションであると言える。

   講評   nane

 冒頭の説明はわかりやすく書けたね。「大体の人が」と書いてもいいけど、自分も含めて「私たちは」のような書き方の方が、問題が真に迫ってくる。第一段落の意見は、もっと絞って強く書いていってもいいよ。その方が、あとで展開しやすくなる。
 学校の友達と先生の例は具体的。日本人は、正義を貫くよりも仲間をかばう方が評価される社会だから、その発想で国際社会に出ていくといろいろトラブルが起きるのだろうね。
 投票の例もよくわかる。ここは更に何か具体的なエピソードに近い実例が入るといいよ。読書から得た知識でもいいし、歴史上の実例でもいい。具体的な例が入ると、素材語彙が高得点になる。
 反対理解は、「確かに……難しいが」でもいいけど、もっと強く、日本人の世間観のよいところを書いてもいい。
 結びの名言は、もう一息。「世間とは……」又は、「社会とは……」という形でもう一度考えてみよう。


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