国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   NATURAL   

 農業は、きわめて恣意的な営みである。「文化」という言葉の語源は「耕す」という意味だと教えられ、そうであるとすれば土を耕す農業こそはまさしく文化的な営みだと納得するが、しかしそれにしたところで、文化というのは人間が手をつけられないような荒々しい自然をなんとか馴化して管理下に置こうとする試みなのだ、と種明かしすれば、それほどたいしたことをやっていないのはすぐにわかる。畑仕事は、いくら人間が焦っても、できないものはできない。われわれの望むもののうち、自然の合意を得られた分だけを、ゆるゆるとすすめることしかできないのである。私は、自然に対して謙虚な気持ちを忘れずに生きていきたい。
 そのための方法として、第一に自然の恐ろしさを認識することがある。今冬、日本各地で大雪のニュースがたくさんある。自分の身長よりはるか上まで積もった白いかたまり。そのニュースの中には、悲しいものがたくさんある。凍った道路でスピンしてしまったり、雪崩に巻き込まれてしまったり。自分が気をつけていても、自然災害というのは時間や場所は関係なく発生するものだ。今、大きな地震が起こるかもしれない。我々には予想のできない、恐ろしいものである。「備えあれば憂いなし」というように、日頃そういうことに関心をもって、きちんと対処できるようにしておきたいものである。いつ何が起こるかわからない、ちゃんと心に残しておかなくてはいけないものである。
 そして、第二の方法は幼い頃からもっと自然に親しめるような機会を増やしていくことである。伝記によると、ファーブルは幼い頃から虫が好きで、時間が経つのも忘れ、草むらにしゃがんで虫の観察をしていたらしい。ファーブルのように幼い頃から自然に親しみ、自然を知ることができれば自然に対して謙虚な気持ちを持ち続けることができるのではないか。私も、今は正直虫は苦手だが、小学校低学年位までは、全然恐怖心もなく、自然と触れ合うことができた。だが、苦手ではあるが、緑の草を見つめたり、秋の夜に虫が鳴くのを聞いたりするのは好きである。これは、小さい頃に思いっきり自然と触れ合い、いい部分も悪い部分も知っているからこういう気持ちになれるのでは、と思う。
 確かに、ときには人間が自然を管理することも必要だ。しかし『存在するものには、良いとか悪いとかを言う前に、すべてそれなりの理由がある。』という名言があるように、自然があるのは、私たち人間を助けるためのものではないと思う。うまく表現はできないが、人間に共生するための力を与えるためにあるのではないか。共生していくために必要なことは、自分中心に物事を考えることではなく、謙虚に、一人一人を大切にしていくことなのだ。植物に謙虚な気持ちで接することができないのなら、人間にも無理だと思う。外人は日本人が曖昧な、謙虚であるというが、私は生きていく上で一番重要なことだと思っている。これからもそういう心を大切に生きていきたい。

   講評   miri

<第1段落>要約、そしてそれに続きスムーズに意見が入れられました。
<第2段落>ファーブルの例がたいへん効果的で説得力があります。記述もわかりやすく書けました。
<第3段落>現代は自然に触れ合うのにもわざわざ出向いたり、時にはお金が必要だったりします。しかし、本当の自然はすぐそばにあるのですね。それをきちんと認識して触れることができるとよいですね。
<第4段落>たいへんていねいに主張を説明できましたね。とくに共生のための必要なこと、のところが親切な解説になっています。

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