国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   ものの価値観   あやた

 首飾りと言うものは、まず第一に財貨であり、第二に地位や富の象徴であり、そして第三にお守りである。だがこの三つの機能にプラスして、金銭的価値を見出すためだけの首飾りになっているということがある。もちろん、ダイヤの指輪やネックレスを私が持つことはないからといって皮肉って批判しているわけではない。ただ、特定の人間が特定の人間とのかかわりのなかでかけがえのないものとして主観的に絶対の価値をあたえるもの、そういう種類の首飾りもあるということだ。そういった、なんでもない「物」に深く思いいれをしてしまうことを哲学用語では物神崇拝(フェティシズム)という。私達は、少なからず何らかの形で物神崇拝の対象をもっているものらしい。だが、今の私達は金銭的な価値ばかりを求めて、モノに対する思い入れが乏しいことは問題だ。
 その原因として、他人よりも優位に立ちたいと願うからということが挙げられる。私もよくしてしまう行為なのだが、特に初対面のとき、相手の容姿をチェックすることはないだろうか。どんな服を着て、どんなアクセサリーをつけて、どんな鞄を持っているかなどと。相手が一流のブランド品を身につけていると「私より格上だな。」と感じ、そんな雰囲気でなければ「私の方が優位だ。」と思ってしまうのだ。私も、学校で友達が人と違うものを持っていたり、おしゃれだったりすると、私はその人に対して劣等感を抱いてしまう。その劣等感の内側には、金が私の心をコントロールしている。つまり、「あの子は私より、お金持ちだから、あんな高価なものが持てるんだ。私は、あの子の持っているものは持っていない。私は、あの子に負けたんだ。(大げさ)」といった風に、お金で人の価値が決まってしまっているのだ。それ故に、人より高価なものを人に見えるように持つことで自分を高め、優位に立とうとしているのである。ここには、モノに対する思いが込められているとは想像しがたい。
 また第二の原因に、心でモノを味わえなくなっているということである。依然読んだ長文にこのようなものがあった。私達が建物を建立する際、風景の心を無視した資本主義的営利関心のみに従って建立されている。よって、自然と調和することができず、逆にむき出しの風景を破壊しているのである。それは、私達の心の状態なのである。というものだ。ただ社会の発展や、暮らしが良くなることだけを願って、立てられている建造物が多いのは非常に残念なことである。そしてそれは、私達の物に対する思いも同じなのではないかと思うのだ。手に入れた物は、世間一般においてどのくらい価値があるのか。どのくらいの割合で所有者が存在するのか。が決め手で、その物の形、特徴などは二の次だ。物によって、安心させられたり、心をスッキリさせたりすることがなくなっているのである。
 確かに、金という存在のおかげで経済は発展してきた。金をもっと手に入れたいという衝動に駆られて、競争心が芽生えたのだ。しかし、
「金は支配されるものでなく、支配するものだ」
というように、私たちは少々、金銭面において神経質なところがあるように思われる。物の価値は、金だけでは決まらない。その所有者の思いが強ければ強いほど、その物の価値が上がるのだ。しかし、金銭的な価値観ばかりに心を奪われて、物に対する思いが乏しいことには問題がある。私も、これからは金に左右されず、心のこもった物に囲まれて過ごしたいと思った。

   講評   huzi


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