創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   分からない事を知っている   ミディ

 ソクラテスは、自分の仕事は人間が正しい理解を「生み出す」手伝いをすることだ、と思っていた。なぜなら、本当の知は自分の中からくる物だからだ。ソクラテスはソフィスト達の同時代人だった。ソクラテスはソフィスト達と同じ様に人間と人間の生活を論じていたが、自分は知識のある人間や賢い人間ではないと考えていた。また、ソクラテスは自分は人生や世界について知らない、とはっきり自覚していた。自分がどれほど物を知らないかという事でソクラテスは悩んでいたのだ。ソクラテスは自分は知らないという事を知っていただけだ。それでソクラテスは哲学者になったのだ。諦めない人、知恵を手に入れようとあくことなく努める人に。(書き出しの工夫)
 ソフィストのように何でも知っている、つまり知ったかぶりばかりしていると失敗に落ちる。ある図工の授業の時間、一枚の紙にこれから制作する作品の下書きを描く事になり先生が簡単な説明をしていた。でも毎回同じ様な事をしているので大体の事を聞いていただけで細かい事はほぼ分かっていなかった。けれど、ただ普通に描けば良いので紙を縦にして描いた。結構満足な出来栄えとなり先生へ提出した。すると、横書きだと言われて訂正してくるようにと言付けられた。なので、傑作を消して、もう一度書き直すことになったのだった。あそこで知ったかぶりをしたりしていないで、先生や隣の人に詳しくもう一度説明してもらえばよかったと後悔した。だからソクラテスのように知恵を手に入れようとあくことなく努める人になるのが良いのだ。
 日本の昔話はよく調べてみると現在言い伝えられているのと多少違う。例えば、「浦島太郎」の物語では今の時代の人々は浦島太郎がカメを助け、竜宮城へ行き玉手箱を貰い開けてみると老人になるという有名な内容で伝えられている。けれど、その話は御伽草子の系統による話でありこの話が本当かどうかは分からない。万葉集巻九による話だと水の江の浦島の子が七日ほど鯛や鰹を釣り帰って来ると、海と陸の境で海神の娘(亀姫)と出会った、という始まりである。そして二人は語らいて結婚し、常世にある海神の宮で暮らすこととなった。三年ほど暮らし、父母にこの事を知らせたいと、海神の娘に行ったところ「これを開くな」と篋(くしげ・玉手箱の事)を渡され、水江に帰ってきた。海神の宮で過ごした三年の間に家や里はなくなり見る影もなくなっていた。箱を開ければ元の家などが戻ると思いあけたところ常世との間に白い雲がわき起こり、浦島の子は白髪の老人の様になり、ついには息絶えてしまった、という話だ。
また、横浜市神奈川区に伝わる話だと昔、相撲国三浦に浦島太夫とよばれる人がいた。彼は仕事のため丹後国に赴任していた。その息子太郎は、亀が浜辺で子ども達に虐められているところに出会う。この後竜宮場に行くのは同じだ。そして玉手箱で老人になった後、太郎はある漁師から両親の墓が武蔵国白幡にあると聞いた。この情報を聞いた太郎は急いで子安の浜に行った。子安に着いた太郎は両親の墓を探したが、なかなか見つけられない。それを見かねた乙姫は、松枝に明かりを照らして場所を示した。やっとのことで墓を見つけた太郎はその地に庵をつくり、太郎はそこに住んだ、という結末になっている。このように、浦島太郎といっても沢山の話が有るので、どれが本当の話かは分からない。
 「知らぬが仏」これはきっとソクラテスはあんまり好きじゃなかっただろう。(ことわざ)当時はこんな言葉は無かったと思うけれど、きっとあまり好まないと私は思う。分からないことを良い事と感じているのだから分からないのを活用しないのが幸せだとソクラテスは思わないだろう。でも、私もそうだと思う。無知の人間なんてありえないのだから、胸を張って知らないといっても非常識でもなんでもないと分かった。本当の知は自分の中からくる物だからだと考えているソクラテスは自分の仕事は人間が正しい理解を「生み出す」手伝いをすることだ、と思っていた。そんな彼はソフィスト達と同じ様に人間と人間の生活を論じていたが、自分は知識のある人間や賢い人間ではないと考えていた。また、ソクラテスは自分は人生や世界について知らない、とはっきり自覚していた。そしてソクラテスは哲学者になったのだ。諦めない人、知恵を手に入れようとあくことなく努める人に。(書き出しの結び)

   講評   onopi

 要約はよくできていると思います。第二段落でいい実例があげられました。よく書けています。話の流れからいくとこの段落の最後は(〜知恵を手に入れようとあくことなく努める人になるのが良いのだ。)というより(〜自分は知らないということを知っている人になるのが良いのだ。)となると思いますがどうですか?第三段落は日本の昔話について書けました。かなりくわしく調べることができましたね。すごいと思います。ただ昔話の諸説の説明に重点が置かれているので、前後の段落とどういうつながりを持つのか、また長文の主旨とどう関係づけるのかということがわかりづらいです。おそらく(浦島太郎という昔話は有名でだれでも知っていると思いがちだ。しかし実際調べてみると様々な諸説がありどれが本当なのかということはさだかではない。知っていると思い込んではいけないのだ。)ということがいいたいのではないかと思うのですがどうですか?第四段落はことわざを使いながら自分の意見やわかったことを書くことができました。最後の「書き出しの結び」を書く時は要約の一部分を繰り返すのではなく、一つのことばまたはフレーズを使って新しい文章を作ってみましょう。
    

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